2017/12/22
待ったなし!サイバー攻撃対応の手法
東京都は22日、「東京都ICT戦略」を発表した。今年度から2022年度まで5年間のICT利活用の方向性を示したもので、防災での情報収集強化や多言語での情報提供などに取り組んでいくほか、民間のICT活用やサイバーセキュリティ対策も後押しする。
基本的な考え方としてICTを活用し(1)都市機能や都民サービス向上(2)データ活用(3)官民連携で行政課題を解決する仕組み構築(4)民間を後押しし生産性向上や新価値創造を図り、東京と日本の成長へつなげる―以上の4つを柱とする。
安全・安心への取り組みとして、防災・減災では民間からも含めた広い情報収集を目指す。都水道局ではツイッターを活用した漏水情報の都民からの収集に取り組んでいるが、こういった情報収集をさらに拡大・強化を推進する。り災証明書の発行といった被災者支援へ業務の標準化や区市町村へのシステム導入を促進する。ICTにより図上訓練の一部を自動化し、消防隊員の指揮能力を向上させていく。普及するデジタルサイネージを災害情報の伝達に活用。多言語対応も行う。
治安対策ではSNSなどウェブ上の情報から犯罪の兆候を早期に把握する。2020年東京オリンピック・パラリンピックで最新の画像・映像解析などを活用した警備導入へ多くの人が集まる場での実証実験を実施。実用化し、大会時に東京がICTのショーケースとなることを目指す。サイバーセキュリティでは都は中小企業向けに標的型攻撃訓練やガイドブックの提供を行っている。外部機関との連携などさらなる対応強化に努める。
小池百合子知事は22日の記者会見で「都は(降雨情報の)『東京アメッシュ』や、地下鉄や都バスといった交通など情報をたくさん持っている。これを基に民間でアプリなどができ、都民のニーズとうまく合えば大変な財産となる」と述べ、民間のICT活用を後押しする方針を述べた。
■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/12/22/08.html
■関連記事
「東京都、漏水情報をツイッターで収集」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2573
「東京都、中小企業へサイバー対策ガイド」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/4109
「都内中小企業に無料で標的型攻撃訓練」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3108
「東京都、降雨情報サイトをスマホ対応」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2656
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
待ったなし!サイバー攻撃対応の手法の他の記事
おすすめ記事
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/17
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方