QRコードを含めたモバイル決済は広がりつつある(出典:写真AC)

トーマツは21日、「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査」を発表した。スマートフォンを用いたQRコード決済を利用したくない理由の最多は「通信のセキュリティに不安があるから」で約4割。一方、利用したい理由でも現金を持たなくていいことや認証が必要といった安全面に関することが挙げられた。

QRコード決済は支払い側がQRコードをスマホで提示し店舗が専用の端末で読み込む、もしくは店舗がQRコードを示し、支払い側がスマホで読み込むことで支払うといったように、現金を介さないモバイル決済。楽天ペイやLINE Payといった決済サービスに加入する必要がある。

今回の調査は10~30代の男女1800人に対して行った。QRコード決済の利用経験率は10.2%と少数。一方で利用経験者のうち90.7%が「満足している」と回答した。非利用者の利用意向は「利用したいと思う」が50.2%、「利用したいと思わない」49.8%と分かれた。

QRコードを利用していて満足している、もしくは利用したい理由としては「現金やカードを持たなくてよいこと」が利用していて満足な層で66.3%、非利用者で利用したい層で75.7%、「使うたびにデータとして履歴が残るから」29.5%、36.9%、「アプリで簡単に残額の確認ができるから」23.5%、40.6%、「カード紛失やスキミングのリスクが少ないから」10.2%、30.3%、「スマホの指紋認証やパスワード認証などのデバイス認証機能があるので安心だから」が7.8%、17.1%。安全面での回答が多かった。

逆に利用したくない理由も「通信のセキュリティに不安があるから」37.0%で最多なほか、「スマホを紛失したときに悪用されるなどの不安があるから」が27.8%と、安全面に関する回答が多い。トーマツでは普及のためにはユーザーの漠然とした不安解消へ、指紋認証やパスワード、さらに決済時認証といった安全に使えることの訴求が重要だとしている。

■ニュースリリースはこちら
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20171221.html

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介