2017/09/28
ニュープロダクツ
シャープは25日、電気の使用状況に合わせた蓄電池の充放電制御により、電気を効率よく供給する産業用「スマート蓄電池システム」を11月6日から発売すると発表した。太陽光発電システムとの組み合わせで電気料金を削減するほか、太陽電池が発電した電気を変換ロスなく蓄電池に蓄えることができる。
電気の使用量が多い工場やオフィスビル、店舗などでは、6000V以上の電圧で電力供給を受ける高圧受電契約を電力会社と結んでおり、電気の基本料金は、30分毎の平均使用量がその月で最も大きな値となる「最大デマンド」が過去1年間で最も高かった月を基準に設定される。最大デマンドが上がると基本料金も上がるが、電気の使用状況をモニタリングし、上昇したタイミングで蓄電池から放電。電気購入量を削減し、最大デマンドを低減する「ピークカット」を行うことで、基本料金を削減できる。
消費電力が小さい時には放電量を少なく、消費電力が大きい時には放電量を多くするなど、電力の使用状況に合わせて放電量をきめ細かく制御。放電量が固定されているタイプの蓄電池システムに比べ、同じ量の電力を放電する場合でも、より効果的に最大デマンドを低減することが可能。放電しても最大デマンドの低減に寄与しない場合は、放電を抑制する。1日に複数回の充電が可能なため、消費電力が下がったタイミングで充電し次の放電に備えるので、充分に電気を蓄えることができ、最大デマンドを低減する。
インバーターやコンバーターなど電気の変換機器を介さずに、太陽電池から蓄電池へダイレクトに蓄電できるので、太陽電池が発電した電気を変換ロスなく蓄電池に蓄えることが可能。あらかじめ設定した量の電気を常に蓄電池に蓄えておくこともできるので、万が一の停電時も電気を使うことができる。
一般的なシステムでは、太陽電池がパワーコンディショナーの定格出力を越えて発電した分の電気は発電ロスとして無駄になるが、定格出力以上に発電した分も蓄電池に空き容量があれば、逃さず蓄電できる。パワーコンディショナーの定格出力の最大2倍相当の太陽電池を設置することが可能だ。
希望小売価格はオープン。
■ニュースリリースはこちら
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170925-a.html
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:横田 和子
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方