2020/08/05
知って得する気象・防災知識
●川や用水路の様子を見に行かない
雨が降り続いて不安に思っても、川や用水路の様子を見に行かないでください。

大雨のときに川や用水路の様子を見に行って被災することがよくあります。河川の様子は自治体などがインターネットやライブカメラで、河川の水位をリアルタイムで公開しているところもあります。様子を見に行かずにこれらの情報から把握するようにしましょう。不安に感じたときは、避難をするタイミングです。
●冠水しているときは足元に注意
万が一歩いて避難する時は、水位が上がっている用水路に流されないように用水路から離れた高い道路を通りましょう。事前に避難ルートをハザードマップで調べておき、実際に歩いて、用水路やアンダーパス等の低い土地がないか確認しましょう。
もし避難する道がすでに冠水しているときは、特に注意が必要です。冠水している道では足元がどうなっているかよく見えません。歩き慣れた道であってもマンホールの蓋が外れて吸い込まれるかもしれません。
「トクする!防災」プロジェクトチームでは、冠水している道路を歩いて避難することは推奨しませんが、やむを得ず冠水している道を通る際は、杖のような棒を持って、足元が大丈夫か確認しながら避難しましょう。
1.豪雨が降ってきたら、早めに安全な場所に移動する
2.用水路や川に近づかない
3.地下室や地下街、アンダーパス等の低い土地からは離れる
●屋外へ避難することがかえって危険な場合がある
内水氾濫が発生したときには、マンホールから水が噴出したり、坂道が濁流となったりすることで、避難所へ行くことが困難となる場合があります。安全な場所へ避難することが原則ですが、屋外へ出ないで危険を回避するということも考える必要があります。
通常、雨が止めば数時間で水が引くことが多いので、避難所へ行くより建物の2階以上へ移動したほうが安全な場合もあります。今いる場所の想定浸水深を事前に調べることによって、どのような避難行動を取るか、あらかじめ決めておくことが大切です。
※上記の心得は「トクする!防災」プロジェクトチームの見解によります。自治体から避難指示や避難勧告が出された場合は指示に従い速やかに避難しましょう。
梅雨明け後は、局地的に降る強い雨が多くなる時期になります。都市部を流れる小さな川でも、短時間の集中豪雨による急激な増水で水害が発生する恐れがあります。本格的な雨のシーズンはこの先秋にかけても続きますので、今回の内水氾濫とその避難について、ぜひ今一度確認してみてください。
文中図:「トクする!防災」公式サイトより
(執筆:「トクする!防災」プロジェクト プロジェクトリーダー 木村知世子)
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