昨年12月から、北陸地方など日本海側では大雪に見舞われましたが、2月も上空に強い寒気が流れ込むと局地的に雪の降り方が強まるため、大雪となる恐れがあります。また3月にかけては、日本の南を低気圧が通過すると、普段雪の少ない太平洋側の地域でも大雪となることがあります。雪崩による災害は1月から3月を中心に発生するため、春先にかけて注意が必要です。
1.雪崩の発生しやすい場所は?
●雪崩のスピードは時速200キロに達することも
雪崩とは、斜面に積もった雪が重力によって崩れ落ちる現象のことで、大きく「表層(ひょうそう)雪崩」と「全層(ぜんそう)雪崩」の2つのタイプに分けられます。
「表層雪崩」は、積もった雪の上に新たに降り積もった雪が滑り落ちる現象です。気温が低く、降雪が続く1月や2月頃の寒さが厳しい時期に多く発生し、その速度は時速100~200キロ(新幹線並み)の猛スピードです。
「全層雪崩」は、積もった雪が流れるように全て滑り落ちる現象です。春先の融雪期や雨が降った後、フェーン現象などで気温が上昇した時に多く発生し、その速度は時速40~80キロ(自動車並み)くらいです。
どちらにしても、雪崩はスピードが速いため、発生に気づいてから避難することは困難です。そのため、事前に雪崩の発生しやすい場所などを知ることが大切です。
●傾斜が30度以上の急斜面では雪崩の危険が高い
雪崩は、一般的に傾斜が30度以上の急な斜面や樹木が少ない斜面、笹や草など滑りやすい植生の斜面などで発生しやすいといわれています。
表層雪崩は、雪庇(せっぴ:山の尾根から張り出している雪)や吹きだまり(雪が風で吹き寄せられて堆積した場所)などで発生しやすく、短い時間に大量の雪が降った場合は、特に注意が必要です。
全層雪崩は、過去に雪崩が発生した斜面や、積もった雪に亀裂が入っている斜面などで発生しやすい現象です。
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