フローチャートでとるべき行動をわかりやすく

その際、避難を判断しやすいようフローチャートもあります。

写真を拡大 とるべき行動を適切に選べるようにフローチャートにしている

そして、万が一逃げ遅れた場合のことまで書かれているのも、初めて見たかもの項目なので画期的です。「区では東京都や独立行政法人都市再生機構(UR)、東京都住宅供給公社(JKK)と協定や覚書を締結しているため、共有部分に緊急避難をすることもできます」という部分は、重要情報です。

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さらに、YouTubeの解説動画も作成されています。

こんな具合に、かなり想いをこめて作成されたハザードマップとお見受けいたしました!ですので、作成にかかわった葛飾区役所 地域振興部 危機管理課 災害対策係 大田聖家(おおたせいや)氏にお話しを伺いました。長くなりますが、熱い想いを感じていただくために掲載します♪
 

(葛飾区の場合)複数河川の氾濫や高潮が発生した場合には、区内のほぼ全域が浸水をするおそれがあるため、葛飾区外への広域避難をする必要がありますが、1つの河川の氾濫であれば、区内の浸水しない地域への避難で対応することもできます。

また、洪水に備えた避難というと、雨風が強いなか、近くの小中学校に避難をする、というイメージが強いですが、必ずしもそうではありません。


1階にお住まいの要配慮者の方は、近くの小中学校に避難をするのも良いかもしれません。ただ、浸水しない階層にお住まいの場合には、浸水への備えを十分にした上で、自宅に留まることも、避難行動の選択肢の1つです。

移動に問題がない方は、浸水をしない安全な地域まで避難をするのが、最も望ましい避難行動です。浸水しない階層にお住まいだからといって、河川が氾濫して1週間以上浸水が解消しない場合に、自宅に留まり続けると、生命の危険があります。浸水した地域の孤立者の救助を早期に完了させるためでもあります。

また、葛飾区が洪水によって浸水するのは、台風が接近している暴風雨時のときではないかもしれません。河川上流部で降り注いだ豪雨が、下流部の葛飾区まで流れてくるのには時間がかかりますし、上流部で洪水が起こり、氾濫水が葛飾区に到達するのにも時間がかかります。

洪水からの避難は、早め早めの避難行動が原則ですが、台風が過ぎ去った晴天のなか、避難をすることもあるかもしれません。

このように、洪水からの避難は様々なケースが考えられ、氾濫しそうな河川によっても避難行動は異なってきます。この難しい問題に対して、区民の方一人ひとりが、どの河川が氾濫しそうな場合には、どのような避難行動を取るのか考えて、整理できるように、必要な情報をハザードマップに盛り込みました。

できる限り、分かりやすい記載になるよう努めましたが、情報量が多過ぎて、一人で読んで全部を理解するのは難しくなってしまったかもしれません。解説の映像も作成して、YouTubeで公開もしていますが、説明会も開催をして、水害からの避難について周知を図っていきたいと思います。

 

危機管理課からの熱い思いは伝わったでしょうか?今後多発する水害に対応できるまちづくりには、多様な人の声が反映されることが重要になります。みなさまの地域でも行政の担当者の方と協力して、住民に寄り添うハザードマップを作成していただければと思います。