2013/11/25
誌面情報 vol40
史上例を見ない甚大な被害を引き起こした福島第一原子力発電所事故。東京電力ではその過ちを二度と繰り返さないよう、抜本的な危機管理体制の見直しを進めている。
メディアとして原発推進の肩を持つつもりはない。原発が今の状態で十分安全と考えているわけでもない。しかし、原発事故再発防止に向けた同社の改善の取り組みの中には、多くの組織に共通して求められる危機管理の本質的な要素が凝縮されている。
原子力施設を運営する事業者と一般企業などの組織とでは、リスクの大きさがあまりに違いすぎるとの指摘もあろう。しかし、緊急時における組織体制や組織間の連携、情報の共有、意思決定のプロセスなどは、どのような組織でも基本的なフレームは変わらない。同社の取り組みから学び取れるものは多いはずだ。
改革6本の柱
「安全神話」負の連鎖を断ち切る
米国を参考に構築した緊急時の組織
1人の人間は5人しか管理できない
市民目線を重視
レピュテーションを支える戦略部隊
原発はどこまで安全になったか
新規制基準の高いハードル
Interview 在日米陸軍統合消防本部次長 熊丸由布治氏
東京電力の危機管理を変えたインシデント・コマンド・システム
Interview 九州大学大学院医学研究院先端医療医学部門災害・救急医学助教 永田高志氏
事前の備えなくしてICSは機能しない 訓練を通じて互いの理解を
誌面情報 vol40の他の記事
- 特集1 変わる!東京電力の危機管理体制
- 東京電力の危機管理を変えたインシデント・コマンド・システム
- 原発はどこまで安全になったか
- 市民目線を重視
- 米国を参考に構築した緊急時の組織
おすすめ記事
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/17
-
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/12/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方