第107回:世界的なリスクの潮流をつかむ
Airmic / Top Risks and Megatrends 2020
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より複数のコンサルティングファームにて、事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会座長。BCI Approved Instructor。JQA 認定 ISO/IEC27001 審査員。著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)
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リスクマネジメントや保険に関する業務に従事している人々による非営利団体であるAirmic(注1)は、世界的なリスクの潮流を知るために会員を対象として行った調査の結果を毎年公表しており、その2020年版が「Top Risks and Megatrends 2020」として7月1日に発表された。
調査に当たっては、まず2020年2月14日から3月31日までの間にアンケート調査を実施し、Airmic会員のうち150人から回答を得ている。またこれに続いてAirmic会員による円卓会議や個別インタビューから定性的な意見収集が行われている。
本稿のトップに掲載した図は、会員の中で特に懸念されているリスクの上位16位までを、上から順に並べたものである。実は報告書に掲載されている図では25位まで表示されているが、レイアウトの都合により16位までで図を分割させていただいた。17位から25位は図1のようになっている。それぞれのマスの右下にある数字は、それぞれのリスクに対する回答者の懸念度合いを 5段階で表示したものである(最も懸念されるものが5)。
図が小さくて読みにくいと思われるが、上位10位までは次の通り。
1. サイバー攻撃による事業中断
2. データ漏えいによる、罰金およびレピュテーションの低下
3. 経済の見通し
4. 進化していくデジタル関連の規制への適合
5. 法規制の不確実性(例えばBrexitなど)
6. ITの途絶
7. フィッシング詐欺や不正の被害者となること
8. 規制への不適合(例えばフォルクスワーゲンのスキャンダルなど)
9. ソーシャルメディアにおける活動(例えば#MeToo運動など)に関連するレピュテーションの低下
10. 処罰や規制、賄賂や腐敗への対策活動、反マネーロンダリング活動の増加
また、色分けの意味は図1の下の方に示されている通りで、紫色がサイバーセキュリティーおよびIT、赤色が地政学的リスク、黄色がガバナンスや法規制、グレーが信頼やレピュテーション、緑色が気候変動および環境というカテゴリー分けとなっており、この図に続いて各カテゴリー別の解説が記述されている。
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