世界中どこの消防局でも、使用期限切れや破損などで、毎年大量の廃棄ホースが出ている。

私の現職時代では、廃棄ホースはロープ保護はもちろん、訓練棟の壁面角に用いての器具愛護には使っていたことはあったが、下記のビデオのように廃棄ホースを使ってトレーニングメニューやプログラムを作ったことはなかった。


Fire Athletes 2 14 2010.mp4 (出典:Ryan Vacek/Youtube)

消防ホースは約20mと決まっているため、トレーニング場所や広さなどの選択も容易だ。同じ条件でトレーニングコースを設定し、タイムを競い合ったりするメニューも簡単に楽しめる。


Fire Athlete Training (出典:Ryan Vacek/Youtube)

■FIRE ATHLETE FITNESS PROGRAM
http://fireathletefitness.com/files/2011/04/Fire-Athlete-Fitness-Program.pdf

面白いのは、廃棄ホースの中に砂などを入れ、重さによってテープで色分けしたり、身長170cmくらいの頭、胴体、四肢に砂を入れた人形を作って、救出訓練などに用いるほか、白線代わりにホースでコースを作ってタイムを競い合うなど、アイデア次第で楽しく訓練ができることなどが紹介されている。


Fire Athlete Boot Camp 7 23 2012 (出典:Ryan Vacek/Youtube)

「ファイアー・アスリート・ブートキャンプ」 (FABC)
実践のコツとメリット

・基本的に隊員一人に1つ、自分で65ミリや50ミリ廃棄ホースを選んでダックテープを巻き、砂などで自分の体重に応じた重さを作ること。65mmのホースの重さは約8kg、50mmのホースでは約5kg。
・ホースは表裏どちらでも文字が書けたり、色を付けたりでき、内側のゴム面は接地抵抗を負荷できるため、さまざまなサーキットトレーニングやメニューのアレンジ、設定の組み替えなどが容易に行えること。
・一人でトレーニングを行うときの音楽の選曲はモチベーションを継続的に保ち、曲を聞いているだけでも体中の筋肉が熱くなり、そして、脳まで筋肉になりそうなものを選ぶと効果が高まる。YouTubeで「workout music 2017」と検索してみるとロックやヒップポップなど、ジャンル別の数千曲のトレーニング用音楽を聴くことができる。
・音楽の一曲の長さは約3分前後なので、曲が終わる毎にメニューを変えるサーキットトレーニングも行える。
・隊でトレーニングを行うときには常に声を掛け合い、励まし合うことで、お互いのモチベーションを上げ、一緒にトレーニングを行っている楽しい笑顔との相乗効果を保つことが大事。
・個人でトレーニングメニューシートを作り、一つこなす毎にチェックしながら、ショートブレイクを取りながら脈拍を測り、適応なトレーニング内容の確認と時間管理も行うこと。
・体に故障を生じた場合は、故障していないエリアの筋肉を鍛えたり、できる範囲のメニューを行い、長時間のトレーニングの中止を予防すること。
・トレーニング前後のストレッチも廃棄ホースを背中に敷いて筋肉をほぐしたりすることもできる。
・どこにでも簡単に持って行ける。
・廃棄ホースに付いた汗を洗い流したり、アルコール消毒なども行える。
など。


いかがでしたか?

実は、アメリカの多くの消防局は年々予算が削減され、新しいトレーニング施設を作ったり、器具などを購入したりできないという事情があります。そのため廃棄ホースや古タイヤなどを使ってトレーニングを行っていますが、結果的に現場活動に即した筋肉や柔軟性を作り、維持する内容になっています。

まだまだ、アイデア次第で、たくさんの訓練方法が有るかもしれませんね。

私が現役の頃、ソニーのウォークマンで聴いていた曲は、下記の通り:
Rokyのテーマ「Rocky Balboa」
Top Gunのテーマ:「Danger Zone」(Kenny Loggins)
「Eye Of The Tiger」(Survivor) など。

そして、今でも世界陸上のテーマ曲として使われているQueenの「We Will Rock You」

Queen - We Will Rock You(出典:Queen Official/Youtube)

そして、今、私がジムで聞いている曲は1970年代、80年代のディスコソング。YouTubeで「Best of 70s - Hits & Disco songs II」と検索すると聴くことができます。好きな曲があると、ジムに行けないときでもこの曲を聴くだけでカロリーを消費できたような気分になりますよね。

それでは、また。

追伸:
NHK総合ニッポン知らなかった選手権 実況中!「レスキュー隊技術大会(千葉県大会)」で解説者として登場します!
2017年8月18日(金) 午後10:50~午後11:15(25分)
https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20170818-21-08315

「日本には一般には知られていない“驚きの選手権”がある。それが業界団体などが開く技術大会。業務遂行に必要な技を、さらに磨き上げるために競い合う。今回は“消防レスキュー”の千葉県大会に潜入!白熱の現場を、実況とともに伝える。地震や火災など災害現場で救助にあたるレスキュー隊。正確、安全、素早さが求められる彼らの活動は、驚がくの技術と鍛錬に支えられていた!命を守る使命感に満ちた男たち、その闘いを見よ!」(NHKオンラインより)

是非、観て下さいね。

(了)


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