【避難の心得】①基本編

●避難情報の種類と対応
各自治体から発令される避難情報には、危険度の低い順から、「避難準備・高齢者等避難開始」、「避難勧告」、「避難指示(緊急)」があります。「避難準備・高齢者等避難開始」が発令された段階から主要な指定緊急避難場所が開設され始めます。夜暗くなってからの避難は危険ですので、日没前の明るいうちに避難を完了できるようにしましょう。また、危険を感じる場合などは、自らの判断で早めに避難することも重要です。

写真を拡大 出典: 日本気象協会推進「トクする!防災」

●水害の避難行動について
浸水後の自宅滞在が困難な場合は、浸水前の早い段階で安全な場所へ避難することが重要です。一方、浸水してからでも安全に自宅で滞在することが可能な場合は、浸水してから無理に屋外へ避難せずに自宅で安全を確保しましょう。自宅の位置や自宅の構造、既に浸水が生じている状況なのか等によって、屋外へ避難することの必要性が異なりますので、冷静に判断しましょう。
また、浸水後も自宅で滞在することが可能な場合もありますが、浸水が長期間(長ければ3日から1週間以上)におよぶ場合も想定されますので、日頃から備蓄品を備えておくことが大切です。

写真を拡大 「トクする!防災」公式サイト 避難の心得 基本編より

●土砂災害の避難行動について
土砂災害は、災害発生前に屋外(避難所、親戚知人宅、宿泊施設、公共施設)へ避難することが最も良いですが、屋外への避難が危険な状況の場合には、家の安全な場所(斜面とは反対側の2階以上の部屋)で安全を確保しましょう。避難する場合は、ハザードマップや気象情報・防災情報などをもとに避難行動を判断する必要があります。

土砂災害の避難行動を判断するためのポイント
1.避難先の安全性:避難先は土砂災害のおそれがないか等
2.避難経路の安全性:避難途中に土砂災害の危険性がないか等
3.各自の避難能力:自分自身や家族は自力で避難できるか(徒歩等)
4.気象状況・気象情報:降雨の状況と今後の予測(これから豪雨等)

避難行動や避難所開設の機会の増加は明らかで、個人の防災知識や行動判断に委ねられます。避難に必要な情報や行動について、また、ふだんの備えについて、今後もこちらのコラムで連載していきます。

基本的な知識の積み重ねが広く防災意識の向上につながり、災害時の行動変容に寄与していくと考えています。

次回は、避難の心得(水害・内水氾濫編、水害・河川氾濫編)を予定しています。
(執筆 「トクする!防災」プロジェクト プロジェクトリーダー 木村知世子)