当事者防災研究会~要配慮者が自ら助かるための知恵と工夫~
視覚障害者の避難誘導について
5つの基礎を頭に入れよう
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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天井の工作物などが落下してくる可能性のある地下鉄コンコース内やデパ地下などでの大地震発生時、避難しようとしたら、視覚障害者の方が立ち止まって白杖を掲げている…。こんな時あなたはどうしますか?
アメリカやカナダ、オーストラリア、イギリスでは、日本でいう小学校2年生くらいの頃から市町村のイベントや人々が集まる機会を活用して、車いすの押し方や視覚障害者の誘導補助方法、また災害時の聴覚障害者に対して避難必要性について具体的に教える方法など、様々な障害者や高齢者のサポートについて学ぶ機会を作っています。
まず、下記のビデオをご覧ください。基本的な視覚障害者のガイド方法が紹介されています。
出典:RNIB/How to guide a blind or partially sighted person
このようなビデオを見る時には、日常軸ではなく、災害時を想定しながら災害軸を前提にしたマインドで見ること。
例えば映像を見ながら、ガラスやタイルなどの落下物が路上に散乱していたら、どうガイドするべきか?道路の亀裂がある場合、パニック状態の車やバイク、自転車が走っている時、エレベーターやエスカレーターが使えない状態など、状況に応じて、災害時の負荷や物理的な支障を想定&状況予測しながら見ることで、どんな映画や映像でも参考にすることができます。
下記のマニュアルは英語ですが、状況に応じて注意すべき ポイントが具体的でわかりやすいです。
■視覚障害者のガイド方法
https://www.rnib.org.uk/sites/default/files/How-to-guide-sight-problems.pdf
例えば上記マニュアルを災害避難時5つのステップとして読み替えると下記が概要になります。あくまでも参考例ですので、その時の条件や事情によって応用して使ってみてください。また視覚障害者個々によってもガイドの方法が異なる場合もありますので、事前にどの方法が適切かを尋ねてから行ってください。
1.まず、自己紹介をして避難補助が必要か否かを視覚障害者に尋ねます。この際、視覚障害者の意思を確認してから避難補助を行います。また歩き出すとき、止まる時、階段の始まりや終わり、段差などがある時には、事前にわかりやすく伝えると同時に動作のスピードを落として、ゆっくりと補助します。
2.避難補助を行う際に避難補助者が視覚障害者のひじや肩、腕などを持った方がよいか?または、視覚障害者が避難補助者の体の一部を持った方がよいのか?を尋ねます。
混み合った場所や狭い場所では前後に並ぶ形になる場合、避難補助者が右側や左側に入れ替わることもあると思います。
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