筆者撮影 2019年12月29日

台風15号のことを覚えていますか。あっ! もうお忘れですか。2019年9月9日千葉県千葉市付近に上陸し、甚大な被害をもたらした台風で、政府が甚大災害に指定したあの台風です。

その被害をもろに受けた町の一つ、千葉県安房郡の鋸南町を昨年末に訪ねました。雨風をしのぐ肝心の屋根瓦はうろこを剥いだようにめくれ、今にも落ちそうな無残な様子をさらしていました。特にブルーシートがかかったままの屋根が多く見られました。このままでいいのでしょうか。過疎地の災害には発想の転換が必要ではないでしょうか。

台風15号来襲後、すでに3カ月が経過しています。これでは、とうてい新年は迎えられなそうです。自助、共助、公助と一口にいいますが、このありふれた言葉は当てはまらないのではないかという疑念がわき、暗い気持ちで年の瀬を過ごしました。

この町は房総半島のやや先端で湾の内側にあります。人口は4000人弱。人口の減少率は千葉県の中で最も高く、高齢化率は千葉県第2位で43.6%です。
このような状態を踏まえて町を見ると、比較的古そうな家が損壊しているのが素人目に明らかです。高齢になって想定外の台風に屋根が壊れ、どのように修復すればよいか途方に暮れているのではないでしょうか。個人の力ではどうしようもない。共助、公助が必要でしょう。

それにつけても問題点があります。
 ・屋根には危なくて素人は上れない
 ・屋根を修理する業者が不足している
 ・屋根の修理代金が高額で支払えない
 ・修理は順番待ちですぐに直らない
 などで放置状態なのでしょう。