ロックフェラー財団100RCに見る街づくりのポイント
住民を中心としたレジリエンス戦略
第5回:ブリストル(イギリス)
国際大学GLOCOM/
主任研究員・准教授、レジリエントシティ研究ラボ代表
櫻井 美穂子
櫻井 美穂子
ノルウェーにあるUniversity of AgderのDepartment of Information Systems准教授を経て2018年より現職。博士(政策・メディア)。ノルウェーにてヨーロッパ7か国が参加するEU Horizon2020「Smart Mature Resilience」に参画。専門分野は経営情報システム学。特に基礎自治体および地域コミュニティにおけるICT利活用について、レジリエンスをキーワードとして、情報システム学の観点から研究を行っている。Hawaii International Conference on System Sciences (2016)およびITU Kaleidoscope academic conference (2013)にて最優秀論文賞受賞。
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グリーンキャピタル・ブリストル
ブリストルは、イギリス西部に位置する都市です。市の面積は約110平方キロメートル。2014年の人口は44万人ですが、2037年には53万人に増えると予想されています。白人が人口の大多数を占めているものの、さまざまな民族・文化背景の人々が住んでいます。45の宗教と91の言語が話されています。11世紀の初めに現在の街が形作られたと言われています。2015年にはヨーロッパにおけるグリーンキャピタルに選ばれました。
ブリストルのレジリエンス戦略は、50年というタイムフレームを持っています。日々変わりゆく社会に適応していくために、アクションプランを細かく定めていくというよりも、どんなアクションにも共通するフレームワークを共有しようというのがレジリエンス戦略の特徴です。
ブリストルが抱えるチャレンジ
ブリストルのレジリエンス戦略では、ショックやストレスについての記述は詳細になく、箇条書きで書かれています。
<ショック>
・病気の拡散
・公秩序の乱れ
・テロ
・インフラの脆弱性
・工業事故、環境汚染
・国際イベント
・輸送事故
・洪水などの異常気象
<ストレス>
・交通渋滞
・インフラの老朽化
・気候変動
・環境劣化
・食料・燃料の供給
・水不足
・政治的リーダーシップの変化
・高齢化
・権限移譲
各課題に個別に対応するアクションプランを定めるのではなく、これらの課題を50年の時間軸でとらえた時にどのようなアプローチが必要なのかを考え、ブリストルでは、住民を中心とした5つのフレームを設定しました。
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