第81回:11年間にわたって続けられているBCIのサプライチェーン・レジリエンス調査
BCI Supply Chain Resilience Report 2019
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より複数のコンサルティングファームにて、事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会座長。BCI Approved Instructor。JQA 認定 ISO/IEC27001 審査員。著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)
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情報共有の課題
これまで本連載では、BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注1)によるサプライチェーン・レジリエンス調査の報告書を度々紹介してきたが(注2)、今年も例年通り、11月5〜6日にロンドンで開催された「BCI World Conference and Exhibition 2019」の1日目に今年の調査結果のお披露目があり、出席者に報告書が配布された(現在は後述の通りBCIのWebサイトからダウンロードできるようになっている)。そこで今回はそのBCI Supply Chain Resilience Reportの2019年版を紹介する。
本報告書のエグゼクティブ・サマリー(注3)で一番最初に言及されているのは、サプライチェーンにおけるトラブル(注4)の発生がどのように記録され、報告されるかを尋ねた結果についてである。
図1はサプライチェーンにおけるトラブルの発生がどのように組織内で記録され、報告されるかを尋ねた結果を、過去8年分まとめて示したものであり、右側の「No reporting」すなわち「報告されない」は少しずつではあるが減少傾向を示している。
しかしながら一方で、左側の「Firm-wide reporting」つまり「全社的に報告される」は 2016〜18年の水準から大きく減少しており、部門間のコミュニケーションや透明性の観点から望ましくないと指摘されている。
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