1、止血の手順 (下肢の場合)

※基本的に動脈性出血、または静脈性出血への直接圧迫止血の方法です。
※出血部位によって、止血方法は異なりますが使う救急資機材(包帯やガーゼ)は同じです。また包帯やガーゼ、消毒液などは人間用のものを使います。

① まず、出血しているペットへアプローチする前に上からガラスが落ちてくる状態ではないのか?または、たくさんガラスが落ちている状態でないのか?など自分(救助者)が手足を切らないように予防します。

② ペットがどのような状態なのか?たとえば、ガラスが刺さった状態であるとか?どこを切ってしまったのか?どの程度出血しているのか?を観察します。

③ ペットは怖いとき、痛いときなどによく咬むことがありますので、止血処置をする前に自分のペットであっても咬まれることから予防するために口へマズル(口輪)をすることをおすすめいたします。

止血処理をするためにマズル(口輪)をかけることをお勧めします。

④ 次に相互感染予防のため、プラスチックグローブなどを手に装着することをおすすめいたしますが、もし手袋がない場合は、自分の手をアルコールや洗浄液できれいにします。

 

⑤出血部位が開かないようにしながら、そっとペットの心臓よりも高い位置に患部のある足を持ち上げて、出血箇所を十分にカバーできる大きさのガーゼを4つ折りにした上から、約3分ほど圧迫止血します。

⑥ 止血部位からの出血は止まらない場合はガーゼを重ねて圧迫し、綿包帯で下肢方向から上肢に向かって閉め付けすぎないように巻き上げます。もし出血ヵ所が足の裏の肉球や爪などである場合、足指の間に綿を詰めることで傷の悪化を予防することも可能です。

止血部位からの出血は止まらない場合はガーゼを重ねて圧迫し、綿包帯で下肢方向から上肢に向かって閉め付けすぎないように巻き上げます。


 

足指の間に綿を詰めることで傷の悪化を予防することも可能です


⑦できれば綿包帯の上から伸縮包帯により、犬が包帯を咬んで解かないように固定を行います。伸縮包帯は締め付けやすいので気をつけてください。

ペット用の伸縮包帯

⑧出血部位の傷が開かないようにするためには、上肢まで包帯を巻き上げると、犬は体重を出血している足にかけようとしないため悪化を予防できます。

上肢まで包帯を巻き上げると、犬は体重を出血している足にかけようとしないため悪化を予防できます

⑨もしガラスが刺さっていたら、抜かずにガラスの周りを固定するようにして刺さっているガラスが抜けないように患部を保護し、獣医へ搬送するように飼い主に勧めます。