2016/10/17
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
1、止血の手順 (下肢の場合)
※基本的に動脈性出血、または静脈性出血への直接圧迫止血の方法です。
※出血部位によって、止血方法は異なりますが使う救急資機材(包帯やガーゼ)は同じです。また包帯やガーゼ、消毒液などは人間用のものを使います。
① まず、出血しているペットへアプローチする前に上からガラスが落ちてくる状態ではないのか?または、たくさんガラスが落ちている状態でないのか?など自分(救助者)が手足を切らないように予防します。
② ペットがどのような状態なのか?たとえば、ガラスが刺さった状態であるとか?どこを切ってしまったのか?どの程度出血しているのか?を観察します。
③ ペットは怖いとき、痛いときなどによく咬むことがありますので、止血処置をする前に自分のペットであっても咬まれることから予防するために口へマズル(口輪)をすることをおすすめいたします。
④ 次に相互感染予防のため、プラスチックグローブなどを手に装着することをおすすめいたしますが、もし手袋がない場合は、自分の手をアルコールや洗浄液できれいにします。
⑤出血部位が開かないようにしながら、そっとペットの心臓よりも高い位置に患部のある足を持ち上げて、出血箇所を十分にカバーできる大きさのガーゼを4つ折りにした上から、約3分ほど圧迫止血します。
⑥ 止血部位からの出血は止まらない場合はガーゼを重ねて圧迫し、綿包帯で下肢方向から上肢に向かって閉め付けすぎないように巻き上げます。もし出血ヵ所が足の裏の肉球や爪などである場合、足指の間に綿を詰めることで傷の悪化を予防することも可能です。
⑦できれば綿包帯の上から伸縮包帯により、犬が包帯を咬んで解かないように固定を行います。伸縮包帯は締め付けやすいので気をつけてください。
⑧出血部位の傷が開かないようにするためには、上肢まで包帯を巻き上げると、犬は体重を出血している足にかけようとしないため悪化を予防できます。
⑨もしガラスが刺さっていたら、抜かずにガラスの周りを固定するようにして刺さっているガラスが抜けないように患部を保護し、獣医へ搬送するように飼い主に勧めます。
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/17
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方