ANPYで個別停電把握

しかし、これについては以下のシステムが導入されていたら防げた可能性があります。そのシステムとはこちら、ANPY(アンピー)です。これは、個別の停電を感知するシステムです。

 

難しいシステムではありません。ただ、この機材をコンセントに差し込むだけ。

 

たったこれだけで、コンセントから電気が通っているかを常にANPYがチェックします。そして、停電が起こると、通報します。

どこに通報するかというと、ANPYを開発した北良株式会社です。同社については、先週も以下の記事でご紹介しました。

■バイフューエル車で在宅患者支援
https://www.risktaisaku.com/articles/-/20302

先週もお伝えしましたが、同社は、酸素ボンベを在宅の患者さん宅に運んでいます。東日本大震災が起こった際、停電が起こりました。医療機器が停止すると患者さんの命に関わります。ところが震災時、停電情報は「○○市○千戸停電」のように大まかなもので、自宅や施設ごとに個別の停電をすぐには把握できませんでした。また、停電した地区がわかったとしても、患者さんが広域搬送されてしまうと、安否が確認できない状態が続きます。実際に東日本大震災時、長い人では約5日間、患者さんの安否がわからない状態が続きました。

そこで震災後、2014年に開発されたのがANPYです。ANPYは、コンセントに差し込むだけで通電を常時チェックしています。コンセントでチェックしているので、隠れ停電といわれる引き込み線や低圧線で障害が起きた場合でも、関係ありません。各家庭に電気がきているかどうか、それをピンポイントで把握できます。

そして、停電が起こるとクラウドを通じ、同社のスタッフや家族などの関係者に停電情報が送信されます。