ガソリンだけに頼らない

幸い、同社はガス会社。ガソリンだけでなく、LPガスでも動くクルマを保有していました。

当時のLPガス車保有台数は7台、ガソリン車以外に軽油車が7台ありました。

「クルマってLPガスで走るの?」と思われる方もいらっしゃると思います。でも、実は、日本のタクシーの多くは、LPガスで走っています。タクシーのトランクを開けた時に、LPガスのタンクが見えることもありますよ! なぜ、タクシーがLPガスを使っているかといえば、価格が安定しているのと、ガソリンよりも安価だからです。LPガス車って、意外に普通に出会っているのですね。

ただし、エネルギー密度が低いLPガス車は、同じ分量では、ガソリンのように長距離を走れません。そこで、被災後、同社はガソリンでもLPガスでも動く、バイフューエル車を導入します。

過去の災害の分析は重要ですが、災害ごとに想定外も起こります。そんな時に何が使え、何が使えなくなるかは、災害ごとに異なるといっても過言ではありません。だから、多様性の確保が重要になります。同社は、ガソリンの供給制限の影響を受けない車両を75%にまで高めます。