戊辰戦争時の薩摩藩士(出典:Wikipedia)

「明治維新とは何だったのかー世界史から考える」(半藤一利・出口治明対談、祥伝社)を通読した。本連載では、先にご両人の対談は取り上げている。「世界史としての日本史」(小学館新書)で、「天皇制」をめぐる対談を紹介した。

明治政府が急いで作った「天皇制」
https://www.risktaisaku.com/articles/-/17187

作家半藤一利氏(「歴史探偵」を自称)と、ライフネット生命創業者で立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明氏との「対談集」を再度紹介する。古今東西の歴史・文学・芸術に通暁した博覧強記の両者の対談は知的刺激に満ちていて、今回も一気に読了してしまった。両者は話術にたけており、歯に衣を着せぬ論調はまことに痛快かつ爽快である。

両氏は、まず明治維新は薩長(西軍)による「暴力革命」であった、と否定的に位置付ける。薩長藩閥政治にも批判の矛先を向ける。興味尽きない対談の一部を引用しよう。(引用は原文のまま)。