写真を拡大 (出典:Databarracks / Data Health Check 2019)

サイバー攻撃が増加

データバックアップやITシステムの災害復旧などのサービスを提供している英国のDatabarraks社は、ITのレジリエンスやサイバーセキュリティなどに関する調査報告書として、2019年7月に「Data Health Check 2019」を公開した。

これは英国内の組織(公的機関や非営利団体を含む)におけるIT部門の管理職および担当者400人以上を対象としたアンケート調査の結果であり、同社は2008年から毎年この調査を実施している。

本稿のトップに掲載した画像は、回答者が所属している組織で直近12カ月間に発生したIT途絶に関する最大の原因は何かを尋ねた結果である。ここで「Cyber incident」(サイバーアタックによる事故)が増加傾向にあることは注目すべきであろう。

一方で「Hardware failure」(ハードウェアの故障)が2016年からずっとトップを維持しており、また「Upgrades/patches」がやや減少傾向とはいえ13%ある。これは恐らく、システムのソフトウェアなどのアップグレードや、不具合対策やセキュリティ対策のための修正プログラムを適用する際に発生したトラブルによるものと思われる。

本連載で紹介させていただいたほかの調査報告書(注1)でも、サイバーセキュリティに対する懸念が高まってきている状況をお伝えしてきたが、IT途絶の原因としては従前からのハードウェアトラブルや保守作業に起因するものが、依然として少なくないということであろう(注2)。