装備や人員の充実は消防本部にとって切実だ(写真は1月6日の東京消防庁出初式)

組織見直しのたたき台作り

消防人としてふさわしい「自信と責任」を持った人材育成と、地域市民に安心・安全を感じていただく「信頼と期待」に十分に応える組織作りのためにと、いくつかの消防本部と消防学校からご依頼を受け、中級幹部や上級幹部向けに「消防組織の7S」というワークショップを行った。

消防組織の7Sとは、「ハードの3S:戦略(Strategy)、組織(Structure)、システム(System)」、「ソフトの4S:スキル(Skill)、人材(Staff)、スタイル(Style)、価値観(Shared Value)」をポイントに、地域災害特性や県民性に合った組織管理の視点で、消防組織マネジメントについての具体的な問題を改善するための手法について、グループワークショップを行いながら、所属消防本部の組織体制の見直しを具体的に行うためのたたき台を作るコンセプトである。

2018 Stockton Fire Department Year In Review(出典:YouTube)

総務省消防庁では、平成14年(2002年)頃からすでに、小規模消防本部の課題と問題点を洗い出してまとめているが、15年経った現在も課題が解決されていない。明確なバランスの取れた組織の改善案や指針が出ないため、現場では消防士たちが大変な思いをしている。