IoT時代のセキュリティ、プライバシーに関する意識調査 2015

個人ユーザを取り巻くIT環境は、パソコンやスマートフォンなどの情報・通信機器だけでなく、家電や自動車などさまざまなモノがインターネットに繋がる「IoT(Internet of  Things)時代」に突入している。

トレンドマイクロは、個人ユーザ1903人(米国:744人、日本:595人、欧州=16カ国:564人)を対象に、IoT時代のセキュリティ、プライバシーに関する意識についてWebアンケートの調査を実施(2014年12月)。全個人ユーザが何らかのスマートデバイスを利用中/利用予定と回答する一方で、8割がIoT時代のセキュリティを懸念していることが判明。IoT時代にはセキュリティの懸念を払しょくすることが重要としている。

■個人ユーザの8割がIoT時代のセキュリティを懸念
調査によると、全個人ユーザがスマートテレビやスマートキッチン家電、スマート電力メーターなど、何らかのスマートデバイスを利用中/利用予定と回答。スマートフォン、タブレットを除いても95%が利用中/今後利用予定と回答していた。

さらに、IoTが更に普及・加速するこれからの一般社会において、ユーザの80%が「IoT時代のセキュリティ」を懸念していることが明らかになった。国・地域別では、日本(83%)が最も高く、欧州は82%、米国は75%だった。


図1:IoT における自身のセキュリティ/プライバシーに関して、「非常に懸念がある」および「懸念がある」と回答した人の割合

■半数が過去5年でプライバシーや個人情報漏洩の懸念が増加
個人ユーザの約半数(47%)が、過去5年間で、プライバシーや個人情報の安全性に関して懸念が増加したと回答。理由としては、「モバイルデバイスの利用(63%)」、「情報漏洩の被害を受けた(61%)」、「ソーシャルメディアの利用(53%)」などの被害経験が原因の多くを占めた。

日本では「モバイルデバイスの利用(69%)」や「ソーシャルメディアの利用(63%)」が大きな要因なのに対し、米国では「情報漏洩の被害を受けた(73%)」、欧州では「政府による監視に対する懸念(39%)」が多くの回答を集めた。米国はクレジットカード情報の漏洩問題が、欧州は「EUデータ保護指令」が整備されていることなどが国や地域ごとに異なった傾向となった要因だとしている。


図5:プライバシーや個人情報の安全性に関して、より懸念を抱くようになった理由はなんですか?

■自身の個人情報の価値は平均1965円
自身の個人情報に関して、回答者の56%が、相手が信頼できる会社なら金銭と交換に自分の個人情報を提供すると回答。その価値は平均1965円だった。もっとも価値が高いと評価した情報は、ID・パスワードで平均7584円。米国の個人ユーザは、日本で2016年から本格導入される「マイナンバー制度」に類似する米国社会保障番号の価値は平均5万5568円と回答している。

トレンドマイクロは、IoT時代のセキュリティ対策として、個人ユーザはデバイス毎にセキュリティソフトをインストールすること、デバイスが接続されるポイントで一括してセキュリティ対策を行うこと、個人情報を扱う企業や組織のセキュリティ対策が適切に施されているか確認をすることを推奨。個人情報を扱う事業者は、インフラの安全性を担保し、個人情報取り扱いの方針を策定し、利用者に開示することが求められるとしている。

図表出典:トレンドマイクロ株式会社プレスリリースより