2015/02/12
防災・危機管理ニュース
一般社団法人災害IT支援ネットワーク(代表:柴田哲史)は2月10日、伊豆・小笠原諸島において各社会福祉協議会のホームページ制作を通じ、事前の関係強化と災害時のIT支援の事前準備を行う「伊豆・小笠原諸島災害IT支援プロジェクト」を開始すると発表した。同時に協力メンバーをホームページで募集する。
柴田氏はMicrosoft社でWordなどのオフィス製品の開発に携わったのちにITコンサルティング会社を設立。2011年の東日本大震災時には、調布市の味の素スタジアムに開設された避難所で、ホームページ制作などのIT支援やボランティアのマネジメントなどを行った経歴を持つ。当時開設したホームページ「調布ボランティア情報」( http://311.chofu.vc)は、登録した近隣住民2837人のボランティアに対し、必要物資などの情報をリアルタイムで開示することで支援の充実を図った。その後も2013年に発生した伊豆大島の土砂災害被害や、昨年の広島土砂災害でも東日本大震災時のノウハウを継承してITによる災害支援を行い、成果を上げてきた。ボランティアセンターの運営に関しても、被災者の本音をリラックスした状態で聞き出すためにリラクゼーションルームを開設するなど、工夫を凝らしたという。もともとボランティアとして活動していたが、昨年10月に一般社団法人格を取得した。
伊豆・小笠原諸島災害IT支援プロジェクトは、大島、利島村、新島村、神津島村、三宅村、八丈島、青カ島村、小笠原村の各島・村で開始する。大島土砂災害時には、無線LAN環境など現地IT環境の構築に時間を要したことから、現地のIT環境の事前確認や整備のほか、現地社協(ボランティアセンター)との関係強化、各島のマップ整備、上陸ルートの確認、情報共有などを行う予定だ。
代表の柴田氏は「今後の課題として、人材不足が挙げられる。現地に入って長期に活動できる人材がいない。ITスキルよりも、笑顔でコミュニケーションがとれ、ユーザーニーズを拾える人に参加してほしい」と話す。
同ネットワークを支援する情報支援プロボノプラットフォーム(iSPP)代表理事の会津泉氏は「企業のCSRとして、従業員を参加させても良いと思う。災害現場で実際に社員がボランティア活動にあたることは、各企業のBCP(事業継続計画)力向上にもつながるのではないか」と企業の協力の必要性を訴えた。
災害IT支援ネットワーク
http://saigaiit.net/
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