【ベルリン時事】23日投票のドイツ連邦議会(下院、定数630)選挙は即日開票され、保守野党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が208議席を獲得して第1党の座を確保。2021年以来となる政権への復帰が確実となった。ショルツ首相率いる中道左派・社会民主党(SPD)は120議席にとどまり、歴史的大敗を喫した。移民排斥を訴える極右「ドイツのための選択肢(AfD)」は152議席で、第2党へ躍進した。
 選挙管理委員会の暫定集計結果によると、CDU・CSUは得票率28.5%(21年前回選挙24.2%)で4.3ポイント増。AfDは20.8%(同10.4%)と倍増し、過去最高を記録した。一方、SPDは16.4%(同25.7%)と3番手に甘んじ、第2次大戦後初めて20%を割り込んだ。
 CDU・CSUは選挙戦で、寛容な難民政策や積極的な温暖化対策の見直しを主張した。メルツCDU党首は23日夜、勝利を宣言。「欧州で再び存在感を示す」と述べ、次期首相として指導力を発揮することに意欲を示した。ただ、単独過半数には届かなかったことから、4月中旬の政権樹立に向けて連立交渉を急ぐ考えだ。メルツ氏は次期政権でのAfDとの協力を否定しており、SPDとの交渉が軸となる。
 AfDは移民や難民による重大事件が相次ぐ中で支持者を増やした。ワイデル共同党首は「歴史的な成功だ」と喜びを語った。移民対応や経済対策で十分に成果を出せなかったショルツ氏は「苦しい結果だ」と表情をこわばらせた。 
〔写真説明〕23日、ベルリンで開かれた選挙集会で演説するキリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首(AFP時事)
〔写真説明〕23日、ベルリンで開かれた選挙集会で笑顔を見せるドイツ極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル共同党首(中央)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)