昆正和の気候クライシスとBCP
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BCP文書に足し算的にリスクを並べるだけでは限界
気象災害は繰り返し発生し、影響が波及し長引くという意味で、点ではなく「面」のインシデントです。BCP文書の見直しを前提に足し算的にリスクを並べるだけでは次の一歩につながりません。最終回となる今回は、気候変動に対処するにはBCMの見直しも重要であることを述べ、どうすれば気候変動に適応可能なBCMになるのかを提示します。
2021/05/27
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気候変動リスクへの対応はもはやBCMの課題
今回は気候変動を見据えたBCP見直しのポイントについて、これまでの内容を整理し、いくつか追記を行います。気候変動がもたらすリスクは、地震のような単一のリスクではありません。状況を見て、必要ならば新たなリスクを素早く組み込めるようなスリム、もしくはライトなBCPが求められます。それはもはや、BCM(事業継続管理)の課題かもしれません。
2021/05/13
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マルチハザード対応型のBCPを考えるヒント
多様な災害のすべてに一つ一つ対応しようとすると、BCP対策のオンパレードになってしまいます。そこで問われるのは、何を優先し何を切り捨てるか、そのうえで緊急資源をどう切りまわすか。今回は組織の防災・減災対策、代替対策の「プライオリティ」と「共通化」について考えてみます。
2021/04/15
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慢性リスクERPは特定の人・モノへの影響から考える
今回は「慢性リスク」のERP(緊急対応プラン)を考えます。慢性リスクは気候の長期的変化による事業継続上の問題を指しますが、まさに「慢性」であるがゆえ、緊急性の高いリスクを対象とするERPとはなじまないように見えます。しかし、特定の経営資源への影響を想定すれば、どんな対処方針・手順が必要かが見えてくるでしょう。
2021/04/01
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危機の「察知」「伝達」「対応」 視点は地震と同じ
BCPの各フェーズで、災害発生直後から開始する一連の緊急行動をERP(緊急対応プラン)と呼びます。ERPは地震なら地震、感染症なら感染症と、災害固有の行動に応じてさまざまに策定できますが、気候変動に対処するERPはどのような点に留意すればよいでしょうか。今回は気候変動のなかでも、急性リスクに対処するERPについて解説します。
2021/03/18
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災害多発時代の事業継続オプションとしてのテレワーク
ソーシャルディスタンスを確保するためのリモートワークも、元の「通勤型」に戻りつつあります。感染予防策を徹底すれば通勤型でも在宅型でも問題ありませんが、気候変動にともなう災害が多発するであろう時代を考えると、テレワークやオンライン会議を「非常時の業務継続オプション」として生かすことは十分に意義あること。今回は危機対策本部のリモート体制について考えます。
2021/03/04
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必然的に迫られるマルチハザード対応
BCP文書では、最初に「方針」や「目的」を決定したらむやみに変更しないことが暗黙の了解です。しかし気候変動を対象とする場合は、比較的短いスパンでその見直しに迫られるかもしれません。そればかりでなく「災害リスクと被害想定」や「適用範囲」にも変化が求められる可能性があります。地震対応BCPのようなわけにいかない理由を解説します。
2021/02/18
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2つのシナリオに照らし自社の気候対応レベルを評価
BCPの方法を用いて気候リスクを評価するために必要なのは「シナリオ」です。地震であれば「震度6強の地震が発生する」というシナリオ。同様に気候リスクも、シナリオを想定して会社の現状に照らしていきます。シナリオと会社の現状とのギャップが大きいほど、対応ができていないということ。今回は気候リスクの評価手法を紹介します。
2021/02/04
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非・低炭素仕様の製品は注文が引きあげられる可能性
社会の持続性に考慮した「ESG投資」が盛んになるとともに、化石燃料資源を保有する企業の将来リスクを考慮して投資を引き揚げる「ダイベストメント」も活発化しつつあります。こうした投資の波の満ち引きが加速することで、早ければ10年以内に化石燃料需要がピークを迎えると言われています。中小企業も無関係ではありません。
2021/01/21
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気候問題に「いま」取り組むべき理由
新型コロナウイルス大流行の真っ只中、別の危機に目を向ける余裕はないかもしれませんが、気候変動がもたらす影響は着実に進行しています。地球規模の危機を乗り越えるということは、コロナ禍と同様、私たち一人一人の意識改革が求められるということ。ただ、気候問題はどうしても「いま」進めるべき動機が見えてこないジレンマがあります。今回は、追加的に2つの「背景情報」をお伝えします。
2021/01/07
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気候関連のリスクは組織にチャンスも創出する
前回、気候変動対策にはこれまでのBCPの枠組みの中で進めることのできる側面とできない側面があると述べました。リスクを捉えるには「リスクアセスメント」を行うのが基本ですが、従来のBCP策定ステップの一環でこれを行うだけでは十分ではありません。気候変動のリスクの捉え方について、TCFDの最終提言をもとに考えます。
2020/12/17
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「カーボンニュートラル社会への移行」という大変革
今回から、BCPと気候変動対策について考えていきます。気候変動対策はBCPの枠組みで対応できる側面とできない側面がありますが、それ以上のハードルは「カーボンニュートラル社会への移行」が今後無視できない問題となること。かつての「エコロジーブーム」のようなものととらえていたら生き残れません。この変革は企業の事業承継やBCP/BCMのあり方も大きく変えていくことになるでしょう。
2020/12/03
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首都東京を繰り返し襲う高潮と内水氾濫
ゆっくりと進展する危機は、その重大さを察知できないことが多いもの。気候変動についても、台風や豪雨は発生件数が目に見えて増えているため危機感が高まり、熱波も全国的に猛暑日が記録されるようになって多くの人が警戒感を持つに至っています。しかし、依然として我々が気づいていないのが「海面上昇」のリスク。今回はそのインパクトを解説します。
2020/11/19
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地球温暖化によって変わる極端気象の発生確率
気候と気象は1対1対応の関係ではないので、ある極端現象が地球温暖化によって引き起こされたと決定づけることはできません。しかし、特定の極端現象に対して温暖化の影響を評価する試みは始まっています。例えば西日本豪雨では、気候変動による気温上昇がなかった場合に比べて雨量が増えた地域があったことが分かりました。総雨量でおよそ7パーセントですが、それだけ温暖化が被害を大きくしたとみることができます。
2020/11/05
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コロナ後V字回復の発想を根本から揺るがす気候変動
今日の世界の平均気温は産業革命前に比べ1℃高くなっているといいます。この「1℃」が与えるインパクトを自分事ととらえるのは困難でしょうが、すでに異常気象が頻発し、その範囲が年々拡大しているのは確か。今後2℃、3℃…と平均気温が上昇すれば、地球はさらに破壊的な異常気象を人類にもたらす可能性があります。
2020/10/15
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サイトの前面に情報を出して市民に呼びかけを
異常気象や災害に危機感を抱いた世界の都市が「気候非常事態」を宣言し始めました。気候変動へ政策立案、計画、キャンペーンなどの対応を優先的にとるという宣言で、すでに1400以上の都市がこれを行っています。日本は昨秋時点でわずか7都市でしたが、その後どんどん増えているようです。ぜひ情報を前面に出し、分かりやすく市民に呼びかけ、一人ひとりのアクションにつなげてほしいと期待します。
2020/10/01
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地政学的リスクに注意しながら気候リテラシーを磨く
気候変動に関する書籍、ネットニュース、SNS上には地球温暖化に懐疑的な意見も多く、問題の核心がかすんでしまうことがよくあります。地球温暖化は政治や経済とも関係するため警戒心が働きますが、それ自体は興味深く意義のある意見であっても、気候危機の核心的な問題が政治・経済の議論にすり替わってしまうリスクが否めません。十分に注意して気候リテラシーを磨く必要があります。
2020/09/17
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40℃超えが常態化すれば事業活動に大ダメージ
猛暑日の日数と観測地点数が毎日のように更新された今年の夏。最高気温40℃超えが常態化するのもそう遠い未来ではないかもしれません。そうなれば、事業への影響も大。十分なエビデンスがそろっているわけではありませんが、危機を先取りするため、今回は迫りくる熱波に対してBCP的な想定をしてみます。
2020/09/03
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温暖化の警告から30年経ち何が変わったか
気候科学者のジェームス・ハンセンが米上院公聴会で地球温暖化に警告を発してから30年余り。相変わらず二酸化炭素は排出され続け、気温はどんどん上昇しています。2000年に起こったITバブル不況、2008年のリーマン・ショック、国内では失われた20年からの回復や度重なる震災からの復興で経済の立て直しが優先され、気候問題は隅に追いやられた感が否めません。これまでの流れを振り返ります。
2020/08/20
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【新連載】BCPの見直し迫るコロナそして温暖化
新型コロナウイルスにより、多くの企業がBCPの見直しに迫られました。ならばこれを一歩進め、本格的に「気候変動対策」にも着手してはどうか? それが本連載の趣旨です。「気候危機とは何か」「気候危機に適応する事業継続の考え方」「BCMによる持続可能社会への貢献」という3つのパートで、見直しのロードマップを考えます。
2020/08/06