コンセントや延長コードなど配線器具が出火原因となる火災がなくならない。製品評価技術基盤機構(NITE)への報告は3年連続で、年間30件を超えた。プラグにたまったほこりの放置や規定の消費電力を超えた電気製品の使用など、注意すれば防げる火災も多く、NITEは大掃除を機にチェックするよう呼び掛けている。
 NITEによると、配線器具が原因の火災は2023年度までの5年間で125件報告された。同年までの3年間は年間30件を超え、12件だった19年度の倍以上になっている。死者は2人で、それぞれ住宅が全焼した火災だった。
 延長コードのプラグとコンセントの間にたまったほこりが出火原因とみられるのは、21年4月に千葉県で発生した火災で、コンセント周辺が延焼。消費電力超過により出火したと推測されるケースは、22年12月に埼玉県で発生した火災で、延長コードを使ってこたつ、テレビ、冷温風機を接続していたコンセント周辺が焼けた。
 NITEは、ほこりや水分を除去するため、電気コードのプラグのから拭きを推奨するほか、コンセントや延長コードにつないだ家電の消費電力のチェックも重要だと指摘。「事故や火災を防ぐため、大掃除をきっかけに日頃から意識してほしい」としている。 
〔写真説明〕コンセントにたまったほこりが原因で発火したケースの再現実験(NITE提供)

(ニュース提供元:時事通信社)