【ワシントン時事】トランプ米大統領は20日のSNS投稿で、日本の自動車の安全性能試験を「非関税措置による不正行為」だとやり玉に挙げた。トランプ氏は第1次政権でも同様の主張を繰り返しており、関税交渉で日本の自動車市場に対して圧力を強めている。
 トランプ氏は投稿で「保護主義的な技術基準」を非関税障壁の一つとして批判。具体例として「日本のボウリング球試験」を挙げた。それ以上の説明はしなかった。
 トランプ氏が言及しているのは「歩行者頭部保護性能試験」とみられる。自動車が走行中に歩行者をはねた場合を想定し、ボンネットなどに人間の頭部に見立てたボールをぶつけて衝撃を測定する試験で、米国では行われていない。
 日本政府関係者によると、トランプ氏は第1次政権の2017年にも、故安倍晋三元首相との首脳会談でこれを提起したとされる。トランプ氏側はこの安全試験を「(米自動車大手)フォード・モーターを狙い撃ちにしたものだ」と批判したが、「衝突事故の人体への影響をテストするのが狙いだ」とする安倍氏の説明に一定の理解を示していたという。
 トランプ氏は18年にも、中西部ミズーリ州での演説で、日本が米自動車大手の販売を妨害していると主張。「ボウリング球」の話を持ち出し、検査で球を車に落として車体がへこめば不合格になると不満を表明していた。 
〔写真説明〕トランプ米大統領=9日、ワシントン(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)