2024/12/02
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】内戦が続くシリアでアサド政権への攻勢を強める反体制派勢力に対し、政権軍は2日、後ろ盾のロシアと連携し、反体制派が制圧した地域へ空爆を強化した。在英のシリア人権監視団が明らかにした。反体制派はほぼ制圧した北部の要衝アレッポに続き、政権支配下にある中部ハマ県へ進攻。政権軍は部隊を増員してハマ防衛を図っており、各地で攻防が激化している。
人権監視団によれば、政権軍とロシア軍は反体制派が拠点とする北西部イドリブ県やハマ県の各地を空爆し、イドリブでは住宅地や避難民キャンプで市民11人が死亡した。政権軍は2日、アレッポ東方も空爆し「テロリスト数十人が死傷した」と発表した。
アサド大統領は2日、イランのペゼシュキアン大統領と電話で会談し、「シリア全土でテロを壊滅させる覚悟だ」と強調。「(反体制派は)地域と国家を分断し、米国や西側の目標に従って地図を塗り替えようとしている」と非難した。ペゼシュキアン氏も全面的な支持を表明した。人権監視団によると、一連の衝突に伴う死者は2日までに440人を超えた。
反体制派が進軍したハマ県は、首都ダマスカスと北部を結ぶ幹線道路が貫く交通の要衝。反体制派はハマ県北部の複数の町や村を掌握したと伝えられるが、国営メディアは1日、政権軍がハマ県の北方で「テロリストの侵入を防いだ」として、一部を奪還したと主張した。
〔写真説明〕シリア反体制派の車両=1日、北部アレッポ県(AFP時事)
〔写真説明〕1日、シリア中部ハマ県に通じる道路に集まる反体制派の戦闘員ら(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方