2024/09/16
防災・危機管理ニュース
電動車いすの脱輪や着ている衣服への着火、介護ベッドでの挟み込みも。16日の敬老の日に合わせ、NITE(製品評価技術基盤機構)が高齢者に起こりやすい事故への注意を呼び掛けている。命を落とすケースもあり、家族や介護従事者らにも「身近に危険がないか確認してほしい」と求めている。
NITEのまとめによると、電動車いすの利用に伴う60歳以上の高齢者の死亡事故は2015~23年で25件報告があり、23年は7件と最も多かった。介護ベッドでの死亡事故は同期間に28件で、年2~5件で推移。こんろやライターの火が衣服に移って亡くなった事故も4件あった。
和歌山県では18年6月、電動車いすで踏切内に入った70代男性が列車にはねられ死亡。前輪が線路内の砕石部分に脱輪したとみられる。福井県の80代女性は19年9月、側溝に電動車いすごと転落した状態で発見され、入院中に亡くなった。
こうした事故を防ぐには、利用する道路を介助者と事前に確認し、側溝にふたがない道などを避けることが効果的だ。脱輪しないよう道路の端に寄り過ぎないことも重要という。
介護ベッドでは、静岡県の80代女性が22年6月、手すりとマットレスの隙間に首を挟まれ死亡。介護用ポータブルトイレを使おうとして転び、背もたれと肘掛けの間に腕を挟まれ骨折した事故もあった。NITEはクッションや保護カバーを使って隙間をなくすことを勧めている。
奈良県の60代女性は22年10月、ガスこんろに置かれた調理器具を持ち上げる際、服のそでに火が付いて大やけどを負った。NITEは白内障が進行するとガスの青い炎が見えにくくなるとして、こんろ周辺に調味料などを置かないよう求めている。
〔写真説明〕側溝で脱輪する電動車いすの再現実験(NITE提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 高齢者事故
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方