【北京時事】中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は13日、定年退職の年齢を段階的に引き上げることを決めた。国営新華社通信が報じた。労働力不足に対応するのが狙い。男性は60歳を63歳に、女性は50~55歳を55~58歳に見直す。
 定年は、今後15年かけて段階的に引き上げる。女性の現在の退職年齢は、幹部が55歳、幹部以外が50歳となっており、最大で5歳延長する。これに伴い、年金保険料を支払う年数も延びる見通しだ。
 現行の定年退職年齢は1949年の建国直後に設定されて以降、70年以上据え置かれてきた。 
 一方、中国では30年以上続けた産児制限「一人っ子政策」の影響で少子高齢化が急速に進行し、労働力人口の減少が続いている。2035年ごろに60歳以上の高齢者が全人口の3割を超えると推計され、社会保障費が膨らみ、年金制度が破綻するとの懸念が浮上していた。こうした状況を踏まえ、共産党は7月の重要会議で引き上げを進める方針を表明した。
 中国では景気の冷え込みを背景に、7月の16~24歳の失業率が17.1%と高止まりしている。定年延長により雇用状況がさらに悪化するとの警戒感は若者を中心に根強い。今回の決定では「若者の就業と起業を支援する」と雇用対策の強化を強調し、若年層の不安払拭を図った。(了)

(ニュース提供:時事通信 2024/09/13-18:39)

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