充電式の電動工具や掃除機などで、メーカー純正ではないバッテリーによる火災が起きているとして、製品評価技術基盤機構(NITE)が注意を呼び掛けている。使用前に初めて充電する際や保管中に出火したり、建物が全焼したりしたケースもあり、担当者は「低価格だが高リスクだ」と指摘する。
 NITEに通知があった非純正バッテリーによる事故は2023年までの10年間で計235件。18年まで年間数件程度だったが、19年に粗悪品が増えたといい66件に急増。その後は30~40件台が続いている。
 うち227件で火災が起き、建物全焼は14件に上った。電動工具が102件、掃除機が95件と全体の8割を占めた。182件が充電中に発生し、うち7割が使用開始から1年未満で、1回目の充電時も15件あった。
 岐阜県の40代男性は20年4月、インターネット通販で購入した電動工具用バッテリーを初めて充電していたところ、異音とともに出火。やけどを負った。
 兵庫県では19年4月、電動アシスト自転車の非純正バッテリーを充電していた際に出火し、床を焼いた。NITEが行った再現実験では、いったん弱くなった炎がまた強くなり、内蔵されている複数の充電池に燃え移る現象が見られた。
 NITEによると、安価な製品は安全対策が不十分で過充電されたり、異物や不良品が混ざっていて、保管中に発火したりする恐れがある。担当者は「構造が見えず分かりにくいが、危険性を認識し、極端に安いものは特に注意してほしい」と話している。 
〔写真説明〕再現実験で発火した電動アシスト自転車の非純正バッテリー(NITE提供)

(ニュース提供元:時事通信社)