【ビエンチャン時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議の議長国を務めたラオスの外務省は27日、共同声明を発表した。紛争が激化し、多数の避難民が生じ人道状況が悪化するミャンマーの現状について「深い懸念を表明した」と明記した。
 ミャンマーでは昨年10月以降、2021年のクーデターで実権を握った国軍と少数民族武装勢力や民主派との戦闘が激化。国軍の攻撃で多数の民間人が犠牲になっており、声明では「強く非難する。暴力の即時停止を求める」と訴えた。
 中国とフィリピンなどが領有権を争い衝突も起きた南シナ海問題では、比側に人的被害が出ており緊張が高まっている。ただ、声明では「人の安全を脅かす危険な行為などに対し、一部外相は懸念を表明した」という表現にとどまった。
 ラオスのサルムサイ副首相兼外相は会議終了後記者会見し、「閣僚レベルの協議が25も行われた」と成果を誇った。
 オブザーバー参加している東ティモールについては「全ての会議に参加し、正式加盟に向けた準備が確実に進んでいる」と言及。「ミャンマーや朝鮮半島、南シナ海、中東といった地域情勢に関する率直な意見も多くの会議で交換された」と明かした。 
〔写真説明〕27日、ビエンチャンで記者会見するラオスのサルムサイ副首相兼外相

(ニュース提供元:時事通信社)