【カイロ時事】世界中のイスラム教徒がサウジアラビア西部の聖地メッカを訪れる大巡礼(ハッジ)は15日、巡礼者がメッカ近郊アラファト山で祈りをささげる最も重要な日を迎えた。今年はサウジのサルマン国王の招きで、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザで死傷した住民の家族約1000人も参加した。
 ハッジは礼拝や断食などと共に、イスラム教徒に課せられた五つの義務の一つ。財力と体力に余裕のある信徒が一生に一度は行うものとされる。預言者ムハンマドが最後の説教をしたとされるアラファト山で祈り、巡礼は最高潮を迎える。
 サウジのメディアによると、150万人以上が同国を訪問。巡礼参加者は200万人を超えるとみられている。
 ガザでの衝突は発生から8カ月以上が経過した。国王は「パレスチナ人への絶えることのない関心と配慮」(シェイフ・イスラム問題相)から、ガザの死傷者の家族を巡礼に招待。多くは既にガザから退避した人だという。 
〔写真説明〕15日、サウジアラビア西部メッカ近郊のアラファト山に登るイスラム教徒の巡礼者(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)