【ベイルート時事】レバノン南部で11日、イスラム教シーア派組織ヒズボラの南部戦線司令官がイスラエル軍の攻撃で死亡した。AFP通信によると、昨年10月にイスラム組織ハマスに呼応して対イスラエル攻撃を激化させて以降、ヒズボラで殺害された最高位の人物。イスラエル軍も殺害を認め、「イスラエル市民へのテロ攻撃を長年計画・実行してきた」と正当化した。
 イスラエル軍は声明で、12日にレバノンからロケット弾など約170発が撃ち込まれ、一部を迎撃したと発表。イスラエルのメディアは、昨年10月以降ではヒズボラによる最大規模の攻撃だと伝えた。
 ヒズボラは強く反発し、「シオニスト(イスラエル)による暗殺への報復」としてイスラエル領内の「軍事施設」を攻撃したと表明。イスラエル軍もレバノン南部の発射拠点を空爆して応酬した。国境地帯での戦闘が一段と激しくなる恐れがある。
 殺害された司令官は、後ろ盾イランの精鋭「革命防衛隊」の対外工作部門を率い2020年に米軍の空爆で殺害されたソレイマニ司令官とも交流があったとされる。 
〔写真説明〕イスラエル軍の空爆により煙があがるレバノン南部の村=8日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)