2013/09/17
防災・危機管理ニュース
災害リスク情報<第51号>
インターリスク総研コンサルティング第三部
リスクエンジニアリンググループマネジャー・上級コンサルタント 船木明彦
1.はじめに
日本では、夏から秋にかけて台風のシーズンを迎える。台風による被害は、強風による建築物の破損、大雨などによる浸水・洪水等であるが、本レポートでは、台風による風災を中心とした対策を記載する。
2.台風
(1)台風とは
台風とは、熱帯の海上で発生する低気圧(熱帯性低気圧)のうち、北西太平洋に存在する中心付近の最大風速が34ノット(およそ17m/s、風力8)以上のものを指す。
台風は、海水温度が高い海上で発生し、高温の海面からの水蒸気が凝結するときに放出される熱をエネルギーとして発達する。したがって、日本付近に接近するに従い、海水温の低下、上空の寒気、海面との摩擦等の影響により衰える。さらに、上陸すると水蒸気の供給がなくなり、急激に衰える。台風が衰え最大風速が34ノットを下まわると、名称が台風から温帯低気圧あるいは熱帯低気圧となる。
(2)台風の大きさ・強さ
台風の大きさは中心から風速15m/s以上の風が吹くおそれがある距離で、強さは最大風速の大きさで表している。表1に表現方法を示す。
(3)台風の発生・日本への上陸
台風の発生数は、1951年~2012年の62年間で年平均26個であり、最大は1967年の年間39個、最少は2010年の年間14個である。
2001年~2012年の最近12年間では、年平均23個発生しており、台風の発生個数はやや減少しているとみられる。月別ではいずれの期間でも8月をピークとして、9、7、10月と続き、年間発生数の約70%が7月から10月に発生している。日本への上陸数でも発生数と同様に8月が最多であり、以下9、7、10月と続いている。台風の月別発生数・上陸数を表2に示す。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方