国立研究開発法人国立環境研究所はこのほど、災害や事故に起因して、工場から化学物質が排出するなど、化学物質の環境排出リスクに役立つ情報集約サイト「D.Chem-Core-災害・事故時の環境リスク管理に関する情報基盤-」を公開した。行政担当者や専門家が必要な情報を迅速に入手できるようになることで、的確な対策・対応につながることが期待される。

通常、工場などから環境中に排出される化学物質は、国や自治体の各種規制や事業者の自主的な取り組みなどによりリスク管理されている。しかし、災害・事故時に突発的に排出される化学物質については、甚大な人的被害や環境被害につながる危険性が高く、特に近年、自然災害が頻発化・甚大化している中においては、緊急時の対応力を強化することが重要な課題になっていた。

こうしたことから国立環境研究所 環境リスク・健康領域の今泉圭隆氏らの研究チームは、2018年から、災害・事故時に環境排出される化学物質への対応の際に情報基盤として利用可能なウェブサイトを研究してきた。