2015/01/20
C+Bousai vol2
阪神・淡路大震災が発生した1995年1月17日、真野地区でも火災が発生した。しかし消防車が駆けつけたのは震災から6時間が経過した正午以降。およそ2700戸のうち43戸の火災を消し止めたのは、住民や地元企業の自衛消防団の活躍が大きかったという。「地震は来ない」と言われていた神戸では、日ごろ防災に対する意識は薄かった。それでも住民や地元企業が自主的にバケツリレーなどを繰り返し、消火活動に当たった。家屋倒壊についても、10代20代の自治会の若いメンバーが自主的に活動を開始し、地区の死亡者は19人にとどまった。決して少ない数ではないが、ほかの地区では300人の町でも数十人の死者を出したところもあり、この数字は他の地区と比べれば奇跡的と言える。誰からの指示がなくても自主的にメンバーが集まり、救助活動が行えた背景には、震災前に30年間続いたコミュニティ活動があった。
C+Bousai vol2の他の記事
- 特別対談|意欲的に取り組める防災教育「正解のない」問題を考える 災害経験を風化させないため
- 「60分ルール」で津波から守る 訓練のリアリティを追求する (神戸市長田区真陽地区)
- 若い世代も巻き込んだ防災活動 子どもが喜べば親も来る (神戸市須磨区千歳地区)
- コミュニティが町を救う 震災前に30年間のコミュニティ活動 (神戸市長田区真野地区)
- 毎月定例会毎年訓練と見直し (神戸市中央区旧居留地連絡協議会)
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方