AIカメラを手にしたNTT東日本の石川氏(左)とアースアイズの山内氏

NTT東日本とアースアイズは28日、人工知能(AI)を用いた小売店での万引き防止システム「AIガードマン」を6月下旬から提供すると発表した。AI機能の付いた監視カメラとで万引きをしようとする人の異常行動を検知。店員のスマートフォンに通知する。

NTT東日本の調べによると、万引き被害は年間4000億円以上と推計している。同社はAIを活用した防犯システムを提供する、2015年設立のベンチャー企業であるアースアイズと業務提携し、「AIガードマン」を提供することとなった。

AIカメラが店内を監視。例えば書店で立ち止まったまま周りを見回すといった、不振行動をAIが検知すると店員のスマホにプッシュ通知を実施。不審な行動者に店員が声がけを行う。店員は声がけを行った旨をスマホで登録。不審行動や声がけの回数を数値で見える化し、月1回定期レポートも作成される。また、相手が万引きをしようとしている人ではなくても、声をかけることで顧客の困りごと解決につながるケースも期待できる。

動画を保存したりアプリに通知を行ったりするのはクラウドで、独自のサーバーが不要でコストを削減。これまでのAIカメラの視野が68度、8m程度だが、今回採用する最新型は144度、最大13mで、面積は3~4倍に広がっている。一般的なコンビニエンスストアであれば、3台でカバーできるという。

デモ画面。あやしい行動の人物は赤枠で囲まれる

都内の年間売り上げが4億円あるドラッグストアで行ったトライアルでは、導入前年間350万円あった万引きロスがシステム導入後約4割減の200万円に減ったという。NTT東日本ビジネス開発本部第四部門長の石川達氏は「社会課題の解決のため。先進技術を持つパートナー企業と提携する」と今回の取り組みを説明。アースアイズの山内三郎代表取締役は、「小売店ならほぼどの業態でも対応できる」と説明。目標を3年間で1万店舗導入とした。

初期費用はAIカメラが1台あたり23万8000円、設置位置の調査や設置・設定費はケースによって異なる。月額使用料はAIクラウドがカメラごとに設定される1IDごとに4000円。オンラインストレージが10GB~1TBで500~4万円(いずれも税別)。

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https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20180528_01.html

(了)

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