組織の生産性を上げるエンタープライズ・リスクコミュニケーション
思い切った施策は批判の対象になりやすい。人手不足で限られたリソースの中、クレーム対応はできるだけ避けたいと感じる自治体職員は少なくありません。
減少傾向が続いている新型コロナですが、引き続き感染防止対策が求められています。前例のない難しい状況の中、施策は打ちたいけど市民の苦情は抑えたい自治体職員はどうしたらよいか? 本稿では新型コロナ感染を再拡大させないために、リスクコミュニケーションの観点から、数々の施策が称賛された島根県の丸山達也知事にお話を伺いました。
コロナ禍で称賛を集めた島根県の施策
さまざまなコロナ感染対策において政府が行う施策について、批判する国民の声が相次ぐ中、好意的に話題になったケースが少なからずありました。
2020年4月、島根県が新聞の朝刊に掲載した「早く会いたいけん、今は帰らんでいいけんね。」というコピーが話題になりました。当時大型連休の前で外出や帰省自粛を呼びかける自治体は多くありましたが、このコピーは方言による温かさが多くの人の心を打ち、反響を呼びました。
また、2021年7月には首都圏の新型コロナ陽性者が増加しているのを受け、医療体制のひっ迫で県民の近親者の命が危険にさらされるのを防ぐため、基礎疾患がある近親者の一時避難的な帰省を支援すると発表します(同様の制度は2021年1月からと4月からに次いで3回目)。
この施策に対し、「これぞ政治、行政が取り組むべき本来の姿」「具体的な施策を打ち出した丸山知事の姿勢を評価したい」「県民として誇りに思う」などと評価する声が次々と寄せられました。
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