羽田空港で国内初の実運用を始めたCT型検査機のモニター画像(画像提供:国交省)

国土交通省は19日から、羽田空港国際線出発・乗継ぎ向けの保安検査場2カ所にCT型の手荷物検査装置を設置。国内で初めて実運用を開始した。従来のX線装置と比べて機内持ち込みが禁じられている危険物の検出能力が高く、検査時間の短縮も見込める。運用の検証で効果が実証できしだい、他の国内空港にも導入を促す。

今回設置したのは、国際線の出発検査場と乗継検査場が各1台の合計2台。機種はいずれも米L3社製「Clear Scan(クリアスキャン)」。医療用のCTスキャナーの技術を応用したX線検査装置。手荷物を全方向でスキャン検査し、モニタ画面内で3次元モデル画像を回転させて高精度に確認できるため、危険物の検出精度を高められる。疑わしいものを取り出して確認するケースが減るため検査時間の短縮もできるほか、検査使用済みのトレーを自動で入口に搬送する機能も備え、運用側にとって手間の削減も期待できる。

高精度解析により処理時間が増える懸念もあり、今後しばらく従来機と精度と作業効率を含めて比較検証を行う。導入費用は1台7000万円程度。今回初運用した2台は国交省が設置費用を全額負担している。同省では今後、設置費を半額補助して、全国の空港に導入を促す。すでに成田空港でも2019年からの実運用を発表している。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/common/001231574.pdf

(了)

リスク対策.com:峰田 慎二