ロボットのデモンストレーションをおこなった

大和ハウス工業は、建設現場の働き方改革の一環として、鉄骨の柱や梁(はり)にロックウール・モルタルを耐火被覆吹き付けするロボットを開発。9月に竣工予定の東京都江東区有明の同社グループのホテル「ダイワロイネットホテル東京有明」の建設現場で16日、ロボットを報道陣に公開した。通常3人の職人が必要な作業を2人ででき作業を3割省力化。作業時間も2割短縮できる。同社はロボット化などで現場の生産性を高めることで2021年までに週休2日となる4週8休を目指す。

これまで建設業の現場は「3K(きつい・汚い・危険)」と呼ばれ、全産業より1.2倍長い労働時間や、全産業の6割の生産性など課題が多い。こうした中、同社では現場の生産効率を高めるためBIM(3次元モデルによる設計・施工管理)、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、施工ロボットなどを積極的に活用するほか、資格や技能を積んだ職人を高い報酬で優遇する評価システムを導入するなど、働き方改革によって建設業界の労働環境を改善し、将来大幅な不足する労働力確保に向けた対策を急いでいる。

耐火被膜吹付工事は、一定規模以上の鉄骨工事では欠かせない作業だが、同時に材料が飛散するため夏場でも厚着を強いられる過酷な作業。現場からは無人ロボット化の要望が多数寄せられたため、同社はロボット化に着手した。

ロボットは走行台車・昇降台車・産業用ロボットアームの3つを組み合わせたもので、総重量1100kg。全幅1600mm、奥行2600mm、高さ2020mmだが昇降台によって最大3700mmまで高さは対応できる。

あらかじめロボットに構造柱・梁の断面寸法と長さを条件入力しておくことで、4本の柱で囲まれた構造スケルトン状態のスペースを内側から自動でロックウール・モルタルの吹き付けを完了する。これまでは、プラント操作・材料供給、吹き付け、コテ押さえ・検査と1チーム3人で作業していたが、吹き付けをロボットに任せることで、1チーム2人体制に削減できる。これにより職人手間を30%省力化。作業時間も約2割短縮できる。

また2019年度末までに同社が導入を掲げるBIMとも連動させることで、さらに作業時間短縮をめざす。ロボットは実証実験中の現段階では数千万円の設備費がかかっているが、同社現場への本格導入を目指す2019年には数百万円レベルまで削減させる計画。軌道に乗れば設備の一般販売も視野に入れる。

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(了)

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