第153回:北米の組織ではリスク・コンプライアンス・プログラムをどのように運営しているのか
NAVEX Global / 2021 The Definitive Risk & Compliance Benchmark Report
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より複数のコンサルティングファームにて、事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会座長。BCI Approved Instructor。JQA 認定 ISO/IEC27001 審査員。著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)
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本稿で紹介させていただく報告書「2021 The Definitive Risk & Compliance Benchmark Report」は、リスクマネジメントやコンプライアンスに取り組むためのソフトウエアやコンサルティングサービスを提供しているNAVEX Global社が、2021年8月に発表したものである。同社は2019年から続けて同タイトルの報告書を発表しており、今回が3回目となる。
これは企業などの組織で、リスクマネジメントやコンプライアンスを統括または運営する立場にある、経営者や実務者など1000人を対象として、組織におけるリスク・コンプライアンス・プログラム(注1)の実施状況に関して行ったアンケート調査の結果をまとめたものである。
なお本報告書は下記URLにアクセスして、氏名やメールアドレスなどを登録すれば、無償でダウンロードできる。
https://www.navexglobal.com/en-us/campaigns/2021-Definitive-Risk-Compliance-Benchmark-Report
(PDF 68ページ/約 1.7 MB)
同社の本拠地が米国ということもあり、調査対象の79%が北米、9%が欧州、5%がアジア・パシフィックに本拠地を置く組織となっているので、本調査の結果にはおおむね北米における状況が反映されていると考えてよいであろう。また、アンケートの調査項目を検討する際には、米国司法省が発表した「Evaluation of Corporate Compliance Programs」(企業のコンプライアンス・プログラムの評価)というガイドなどが参照されているとのことである。このような点からも、主に米国で期待されているリスクマネジメントやコンプライアンスという観点で書かれている可能性がある(注2)。
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