(出典:shutterstock)

データバックアップやITシステムの災害復旧などのサービスを提供している英国のDatabarraks社は、ITのレジリエンスやサイバーセキュリティーなどに関するアンケート調査を、英国内の組織(公的機関や非営利団体を含む)におけるIT部門の管理職および担当者を対象として、2008年から毎年実施している。この調査の2019年版と2020年版については、本連載でも過去に紹介させていただいたが(注1)、本稿ではこれの2021年版を紹介する。

なお本報告書は下記URLにアクセスして、氏名やメールアドレスなどを登録すれば、無償でダウンロードできる。
https://www.databarracks.com/resources/data-health-check-2021
(PDF 23ページ/約 10.1 MB)

図1はデータ遺失の原因を尋ねた結果であり、原因別に経年変化が示されている(注2)。サイバーアタックまたは内部でのセキュリティー侵害(Cyber attack or internal security breach)が一貫して増加傾向であるのが目立つ。ちなみに本報告書の末尾にあるAppendixには詳細なデータが掲載されており、2021年のデータにおいてはサイバーアタックが14.21%、内部でのセキュリティー侵害が12.47%で、ほぼ半々となっている。

画像を拡大 図1. データ遺失の原因(出典:Databarracks / Data Health Check 2021)

2020年版においてはサイバーアタックによるものが2019年よりも減少したことが注目されていたが、2021年版ではわずかながら再び増加しており、恐らく今後も増加傾向が続くであろう。