例えば、駅のホームドアには、優先席や車いす・ベビーカー利用者のフリースペースのステッカーが貼ってあります。さらに電車の中にも、優先席の壁側には優先席のステッカーが貼ってありますし、反対側の壁側にも車いす・ベビーカー利用者のフリースペースのステッカーが貼ってあります。最近は、車いす・ベビーカー利用者のフリースペースの床にも「床デザイン」として、車いすやベビーカーのピクトグラムを見かけると思います。

このように公共交通機関などで周知していますが、ベビーカーマークはまだ十分に認知されていないため、ベビーカーが邪魔扱いされている現実があります。

実は、優先席や車いす・ベビーカー利用者のフリースペースは、全てのホームドアまたは車両にあるわけではなく、車両編成上2カ所だけしかありません。ベビーカー・乳幼児連れ優先席・妊産婦優先席・マタニティマークを見かけたら、なるべく違う車両にご乗車いただけると当事者にとってはとてもありがたいサポートです。

もし、気が付かないで車いす・ベビーカーマークのある車両に乗車した場合、車いすやベビーカー利用者が来たら、スペースを空けてくれるとありがたいですね。

これを機に、表にある「乳幼児連れ優先席」「妊産婦優先席」「マタニティマーク」を併せて覚えていただければ幸甚です。乳幼児連れ優先席と妊産婦優先席は、「JIS Z8210 案内用図記号」に登録されていますが、マタニティマークは厚生労働省が商標の登録をしています。

乳幼児連れ優先席とは
乳児や幼児を連れた人(ベビーカー含む)は、いすへの着席を優先、もしくは促す座席です。

妊産婦優先席とは
妊娠中の女性および産後1年を経過しない女性は、いすへの着席を優先、もしくは促す座席です。

マタニティマークとは
妊産婦が交通機関などを利用する際に身に着け、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの。さらに、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関などが、その取組や呼びかけ文を付してポスターなどとして掲示し、妊産婦にやさしい環境づくりを推進するものです。

厚生労働省 マタニティマークについて
マタニティマークについて |厚生労働省(mhlw.go.jp)

マタニティマークの誕生は、外見からは妊婦であることが分かりにくい人に対し、周囲の人が配慮しにくいという問題を解決するために作られましたが、なんだか「ヘルプマーク」と同じように思えてきました。ヘルプマークは、身に着けた方たちから厳しい現実をお聞きしています。マタニティマークも同じように、身に着けたことによって、電車内で嫌な経験をしたコメントを見たことがあります。

「妊産婦、障害者は配慮されてずるい」などは共通していましたが、唯一ヘルプマークと違うのが、ねたみやひがみの感情を抱くところです。日本人のモラルの低下を身近なところで感じてしまいました。