2018/02/28
激変の時代!海外リスクに備える
ミサイルへの備えとBCP
具体的に企業はどのようにミサイルに備えるべきなのか。福田氏は、これは地震などのBCPを応用していくことが重要だとする。つまりミサイル発射を昼間(就業中)と夜間(休日含む)に分けて考えていくという、いわばBCPの初歩的な考え方の応用だ。
①参集体制の構築
②出勤待機・見合わせ基準
③社員の安否確認体制
④各種情報収集体制
⑤朝の段階の交通機関状況確認
⑥組織対応の連絡周知徹底
⑦復旧・復興に向けたロードマップ
①Jアラートシステムの導入
②社内放送・情報伝達システム
③社員の避難体制の確立
④社員の避難訓練の実施
⑤周辺住民受け入れ態勢
⑥ 帰宅困難者対策(核の場合は長期避難の必要性が
あるため、長期避難用の食料・飲料水の備蓄)
さらに、可能性は低いが核攻撃が発生した場合は以下のようなライフラインの構築も推奨している。
①非常用電源を地下に
②通信回線バックアップ機器を地下に
③非クラウド化重要データ・サーバを地下に
④飲料水・備蓄を地下に
⑤重要施設・備蓄保管庫の地下核シェルター化
⑥放射線量を考慮した長期的シナリオ
⑦全国的なサプライチェーンの見直し
北朝鮮ミサイル問題
総合的核セキュリティの構築へ
核攻撃を私たちはどのように評価すればよいのか。一般的に、リスクの大きさは、
リスク=①シナリオ×②生起確率×③被害規模
で計算される。通常ミサイル攻撃と違い、核兵器による攻撃は生起確率が低く、被害規模は極めて甚大なリスクと言えるだろう。このようなリスクに対してどのような対策をとるのか、これについては社内や自治体などの組織での合意が重要となる。
「私は、核に関しては日本としての『総合的核セキュリティ』の構築が重要と考えている。核兵器単体、原発単体で考えるのではなく、エネルギー戦略(核燃料サイクルや最終処分場問題)、安全保障戦略(核攻撃からの国民保護)、対テロ戦略(核テロ、原発へのサイバーテロ対策)、危機管理戦略(大学や研究機関、医療機関で保管している放射性物質の管理など、デュアルユース問題)の4つの側面から総合的にセキュリティを考えることが大切」と、福田氏は核問題に関するオールハザードアプローチの重要性を訴えている。
(了)
リスク対策.com 大越 聡
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