鳥山川での実証実験で使われた水位計

国土交通省は23日、洪水時のみの水位観測に特化した低コスト水位計である「危機管理型水位計」の観測基準を策定したと発表した。中小河川への普及を図り、オープンデータの活用を目指す。また31日に国交省のある東京都千代田区の中央合同庁舎3号館でメーカーなど企業を対象とした説明会を行う。

水位計はオーダーメイドであったり、専用回線を敷設する必要があったりなど、設置に数千万円のコストがかかることが多い。このため都道府県や市町村が管理する中小河川での導入が進んでいない。国交省では2017年に横浜市の鳥山川で100万円以下の水位計の実験を行ったほか、検討会を開き基準作りを進めていた。

基準では常時水位を監視し観測・通信といった制御を水位計が自律して判断する自律型水位計の場合、危険な水位である観測開始水位を上回った場合に水位観測を実施。大河川は10分、中小河川は5分、水位が急激に上昇する河川は2分間隔で観測と外部データベースへのデータ送信を行う。観測開始水位に達していない場合、10分間隔以内で水位を監視。データ送信は不要だが、正常に機能していることを示すため、最低1日1回は送信を行う。5年間は電池交換を不要とすること、太陽電池を用いる場合は9日間無日照の後でも150回程度の観測が可能な容量以上を確保できるようにする。

国交省では中小河川の安全強化へ、2020年度を目標に低コスト水位計を約5800カ所に設置する計画。31日の説明会はメーカーなど企業向けのもので、国交省では29日午後2時まで参加希望を受け付けている。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000937.html

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介