低コスト化し、中小河川への水位計導入を急ぐ

国土交通省は20日、「危機管理に対応した水位観測検討会」の第3回会合を開催。低コスト水位計の基準についてとりまとめを行った。メンテナンスフリーの実現のため通常電池なら5年間継続して観測可能な電源容量を確保するほか、太陽電池では9日間無日照でも耐えられるようにすることを求める。

水位計はオーダーメイドであったり、専用回線を敷設する必要があったりなど、設置に数千万円のコストがかかることが多い。このため都道府県や市町村が管理する中小河川での導入が進んでいない。国交省では横浜市の鳥山川で100万円以下の水位計の実験を行ったほか、この検討会で基準を作り、多数地点での水位計導入を目指している。

この日提示された案では、常時水位を監視し観測・通信といった制御を水位計が自律して判断する自律型水位計の場合、危険な水位を観測開始水位とし、この水位を上回った場合、急激に水位が上昇する河川は2分、中小河川は5分、大河川は10分の間隔で観測を行い、同間隔で計測データの送信を行うよう基準を行う。観測開始水位に達するまでは10分以内の間隔で計測し、データ送信は不要。ただし機器が正常に作動しているか確認するため、最低でも1日1回はデータ送信を義務づける。

電源装置については5年間継続して観測可能な容量を確保させる。太陽光電池を利用する場合、9日間日照がない状態の後でも、150回程度観測が可能な容量確保を求める。

国交省では中小河川の安全強化へ、防災・安全交付金を活用し2020年度を目標に低コスト水位計を約5800カ所に設置する計画を立てている。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介