小池知事はチョコレートでアレンジした乾パンを食べて配布をアピールした

東京都は1日、2018年1月末に賞味期限を迎える防災備蓄食品である乾パン約13万食を無償配布すると発表した。立川市にある東京都立川地域防災センターと、江東区にある水素情報館「東京スイソミル」で配布する。

都では乾パンや缶詰のパン、アルファ化米といった避難所向けなど区市町村避難用に約766万食、帰宅困難者用に約59万食の計825万食の備蓄を行っているが、約109万食が今年度賞味期限を迎える。食品ロスをできるだけ削減するため、賞味期限が近いものは福祉施設やフードバンクなどへの寄贈やイベントでの配布などに活用しているが、今回は賞味期限が特に近いものを直接配布する。

配布期間は立川地域防災センターが8~10日、東京スイソミルが2日から2018年1月31日まで。個人以外にNPOや自治会といった法人・団体でも受け取り可能で、転売しないこと、賞味期限内に食べきり、廃棄しないこと、自ら持ち帰ることが条件。

立川センターでは128食入りの箱単位で、東京スイソミルでは5枚入りの個包装単位で配布。都環境局では1回あたりの受け取り数量に特に制限は今のところ考えておらず、配布状況に応じて、送料を受け取り者が負担したうえでの送付も検討しているという。

小池百合子知事は1日の記者会見で「町会単位でもいいので取りに来てもらって有効活用してほしい」と積極的な乾パン利用を呼びかけ。また、乾パンを利用した料理を紹介している警視庁警備部災害対策課のツイッターアカウントを紹介。チョコレートを加えてアレンジした乾パンを自ら食べてアピールした。

小池知事は同日の都議会での所信表明演説で今月末に公表する「ICT戦略(仮称)」に災害対応力の向上を盛り込む方針を表明。地震時の道路閉塞を防ぐなど防災効果の高い無電柱化については、基本方針や整備目標を定めた新たな計画を今年度内に策定する。2016年に成立した「無電柱化の推進に関する法律」に基づき、国が計画を作る動きがあることからこれに対応することや、9月に「東京都無電柱化推進条例」が施行されたこともあり、2014年に策定された計画を改め、新計画を出す。

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http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/12/01/06.html

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介