2017/10/27
防災・危機管理ニュース

内閣府を中心とした政府の中央防災会議は26日、「洪水・高潮氾濫からの大規模・広域避難検討ワーキンググループ(WG)」の第5回会合を開催した。東京都東部の墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区のいわゆる江東5区に台風と高潮が同時に襲った場合、最大175万人が浸水区域外に避難する必要があること、台風上陸の24時間以上前には避難を開始することが望ましいことなどが報告された。年内をめどに大規模水害時の広域避難についてとりまとめを行う。
1949年のキティ台風のような大型台風と高潮が同時に重なるのを想定。浸水域外への避難対象者は156万~175万人、避難時間については5時間以上かかる見込み。台風が上陸する18時間前には全鉄道が停止の恐れがあり、24時間前に避難を開始しても鉄道を利用できる時間は6時間ほどしかない計算となる。さらに自動車の避難は移動困難者に優先的に配分し、台風時の徒歩での長距離移動も厳しい。そのため台風上陸の24時間以上前からの早期避難で、鉄道の最大限活用する方針。またポンプ車による排水対策やインフラ対策による避難対象者を減らす努力も行う計画。
また避難先については広域避難の場合は複数の市町村による調整が必要。避難者の向かう方向や移動手段などで分類、人数を算出し避難先を設定することなどを呼びかける。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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