都市部の在宅避難では、冷蔵庫の固定は必須!

都市部では、避難所の数が足りません。ですので、自宅を安全にして自宅で避難できる事が理想になります。その時に冷蔵庫が倒れて中身が散乱していれば、食料が足りなくなります。自宅避難のためには、冷蔵庫の固定は必須といえます。しかし、家具は固定しているという方でも冷蔵庫は放置している方は多いのです。

 

アンケートで聞いてみると、タンスの形と違って立方体の形をしているせいか倒れないと信じている方も多かったですし(実際には地震で倒れたり、飛んだりしています)、「うちはドラマに出てくるようなタワーマンションではないから、長周期地震動の影響はないので冷蔵庫は倒れない」とか(木造家屋でも5階建てのマンションでも影響はあります)、「コの字型のキッチンだから大丈夫」など(大丈夫ではありません)いろいろな理由で転倒防止がされていないことがわかりました。冷蔵庫については通常家具以上に誤解も多いので、これらも転倒するということについて東京大学地震研究所の纐纈一起(こうけつ・かずき)教授にアドバイスしていただきました。

 

さて、上記2つポイントを絞り込み、行政にプレゼンを行った訳ですが、レジェンド中野先生が設定してくださると担当者にお会いすることは簡単でした。

しかし、「内容は素晴らしいし意義はよくわかります」との前置きのあと、できない理由をいろいろ教えてくれるのですが・・・・と、ここは想像に難くないと思うので、略します!

そんなある日、港区の防災課の方にお会いした際、この話をしたところ、すでにご存知だったのです。あとで分かったのですが、中野先生が昨年10月1日の「法の日」にこの話を講演してくださったのを聴かれていたとのこと。

■賃貸住宅でも、家具転倒防止のためのネジ穴を当たり前の世の中に
丸の内総合法律事務所弁護士/中野明安氏

http://www.risktaisaku.com/articles/-/2096

しかも、初めてお会いしました!実施できる方向でのアイデアを本気で考えてくださっている行政の方に♪嬉しかったので、資料一式をお渡ししました。資料には、もれなく以下のアンケート結果もおつけしました。気持ちのこもった声をたくさんいただいたので、読んでいただきたかったのです。

是非制度化されてほしいです。よろしくお願いします。今も固定できておらず困っています(30代/お子さん5歳と2歳)
災害時のことを考えると冷蔵庫等を固定するために壁にフックやネジで安全にとりつけていただきたいです。(保育士)
ネジ止めはハナからあきらめていましたが、声をあげるできる機会がこのようにあることに感謝したいと思います。こども、家族を守る術を賃借人でいる限りうばわれていることにここで気付かされました。(30代/お子さん7ヶ月)
賃貸で壁に穴を開けていいのであれば、とてもいいアイデアだと思う。一人暮らしをさせている娘のマンションも賃貸で開けられないので、棚等全て低めのものを使ってはいるが、固定できたらいいなと思う。
あらかじめ固定されていれば安心できると思います(30代/未婚)
娘の一人暮らしの家は、大家さんが壁に穴を開けていいと言ってくださったので固定している。東仙台市の友人宅は、7階マンションの対面キッチンだったが、冷蔵庫がありえない位置にまで移動して恐ろしかったとのこと。もし賃貸で穴を開けていいのであれば、とても嬉しい。


資料をお渡ししたあとは私はノータッチだったのですが、防災に前向きな区長のもと、優秀な職員さんたちがもっと実効性のある政策に取り組みたいと可能性を探ってくださいました。

港区の発表後に取材させていただいたら、「とにかく震災時、自宅でケガをする人を防ぎたい、その想いで実行したので、特別な事をした感覚ではないのですが・・・」と、あくまで控えめ!かっこよすぎるじゃないですか♪