2. 設備・機器や什器備品の被害確認

(1)確認の流れ
設備・機器や什器(じゅうき)備品の被害確認は、次の流れで行います。
①目視による確認
②故障や破損したところは、まず自社の従業員が応急対応する
③自社従業員での対応が難しい場合は、保守事業者・修理事業者に対応を依頼する

設備や機器によって、保守事業者や修理事業者は異なります。地震の被害に見舞われた際、平常時の担当者がその場にいるとは限りませんので、保守事業者・修理事業者の連絡先と、それぞれの契約番号・保守番号などを職場全体で共有しておくことが大切です。

(2)火災発生が懸念される箇所
食堂のガス機器類やオフィスのコンセントなど、火元となり得る箇所について、被害の有無を確認します。特に電気製品の場合は、次の点を十分確認しましょう。

電気製品の確認ポイント
・使用する場合は、異音や異臭がしないか確認する
・見た目に異常がない場合でも、使用して異常を見つけた場合は使用を中止する(地震の揺れによって内部が損傷している可能性があるため)
・コード類が、事務機器やキャビネットの下敷きとなり断線していることがあるため注意する
・転倒や落下、そして水濡れの形跡がないかどうか確認する など

異臭がする場合は、火災の可能性があるので、複数の従業員で発生場所を調べます。また、ガス漏れが疑われる場合は、安全が確認されるまで電気製品の使用を中止しましょう。

(3)エレベーター
エレベーターは、地震の大きな揺れを感知すると、自動的に最寄り階に停止して扉が開くことになっています。しかし、その自動停止機能が作動せず、従業員や来客者がエレベーター内に閉じ込められることが考えられます。そのような場合は、速やかに保守事業者に救出を依頼します。

地震が収まっても、地震の揺れでエレベーターが損傷していることが考えられます。保守事業者の点検による安確認を待ち、使用を再開します。

(4)ネットワーク類の被害確認
通信やインターネットなど、次のネットワーク類に支障が発生していないか速やかに確認を進めます。

通信ネットワークの確認ポイント
・内線電話を含む固定電話と携帯電話
・社内のネットワークおよびインターネット
・自社内で使っている生産管理システムや各種情報システム など

【ここがポイント】

従業員と並んで重要な経営資源である建物・設備に関する被害確認は、その後の復旧そして事業継続のために必須のアクションです。事前に決めた手順に従って速やかに実行します。

1. 建物・設備の被害確認については、確認するべき内容と、その際に行う応急対応手順を決めておく
2. 自社で応急対応できない場合は、速やかに保守事業者・修理事業者に依頼する
3. 被害確認に当たっては、二次災害に見舞われないように注意する